† sin1 (短篇小説)
□Sweet Strawberry Cake (Honey so Sweet )
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「ケーキだぁ 」
差し出されたケーキの箱を見て、
食いしん坊のお姫さまが、満面の笑みを浮かべる。
「食べていい?」
「いいよ」
「どうしたの?これ 」
「差し入れに貰った
有名パティシエが作っ・・・・ 」
「どれがいいかな ?」
「・・・って人の話聞けよ」
「聞いてるよ
どれも、おいしそう」
お姫さまの目は、
宝石箱をひっくり返したような、ケーキに釘づけだ。
「エリク、どれがいい?」
「苺のケーキ 」
「・・・・・・・ 」
急に、しょんぼりする、お姫さま
「どうしたんだ?」
「・・・・・ 苺のケーキ、一個しかない」
「俺、苺のケーキ以外、食えない 」
笑いを、こらえながら言う
がっくりと肩を落とす、お姫さま
「わかった・・・・・(くすん)」
そう言う声も、元気がない
「食べていいよ」
「いいの? 」
途端に、とろけそうな笑顔になる、お姫さま
「いいよ、後で貰うから 」
と、言った俺の声は、
もう耳には、入っていないようだ。
真っ先に、苺のケーキをほおばる、お姫さま
そんなに、慌てて食べなくても
誰も取らないよ
食べ終わったお姫さまを、抱き寄せる。
あまい匂いがする
「エリク?」
不思議そうな顔で、見上げている
「まだ、食べるよ? 」
「苺のケーキ食べただろ?」
「まだ、他の残ってる 」
「俺は、苺のケーキしか食えない 」
ヘソンを抱き上げて、キスをする。
甘いクリームといっしょに、
ほんのり、苺の味がした。
「言っただろ?後で貰うって 」
抱き上げたお姫さまを、ベッドルームへと連れていく
苺のケーキより、甘い、甘い、お姫さま
「いただきます 」
2009年02月11日(Wed)