† sin1 (短篇小説)

□Sweet Strawberry Cake (Honey so Sweet )
1ページ/1ページ





「ケーキだぁ 」

差し出されたケーキの箱を見て、

食いしん坊のお姫さまが、満面の笑みを浮かべる。



「食べていい?」



「いいよ」



「どうしたの?これ 」



「差し入れに貰った

有名パティシエが作っ・・・・ 」



「どれがいいかな ?」



「・・・って人の話聞けよ」



「聞いてるよ

どれも、おいしそう」



お姫さまの目は、

宝石箱をひっくり返したような、ケーキに釘づけだ。



「エリク、どれがいい?」



「苺のケーキ 」


「・・・・・・・ 」



急に、しょんぼりする、お姫さま



「どうしたんだ?」



「・・・・・ 苺のケーキ、一個しかない」



「俺、苺のケーキ以外、食えない 」



笑いを、こらえながら言う



がっくりと肩を落とす、お姫さま



「わかった・・・・・(くすん)」



そう言う声も、元気がない



「食べていいよ」



「いいの? 」



途端に、とろけそうな笑顔になる、お姫さま



「いいよ、後で貰うから 」



と、言った俺の声は、

もう耳には、入っていないようだ。



真っ先に、苺のケーキをほおばる、お姫さま

そんなに、慌てて食べなくても

誰も取らないよ





食べ終わったお姫さまを、抱き寄せる。

あまい匂いがする



「エリク?」



不思議そうな顔で、見上げている



「まだ、食べるよ? 」



「苺のケーキ食べただろ?」



「まだ、他の残ってる 」



「俺は、苺のケーキしか食えない 」



ヘソンを抱き上げて、キスをする。



甘いクリームといっしょに、

ほんのり、苺の味がした。



「言っただろ?後で貰うって 」




抱き上げたお姫さまを、ベッドルームへと連れていく



苺のケーキより、甘い、甘い、お姫さま




「いただきます 」






2009年02月11日(Wed)

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ