† sin2 (短篇小説)

□俺をさらって
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エリクの入隊前夜








ヘソンは一人、自分のマンションにいた。









エリクを想って

泣いて、泣いて、泣きつかれて・ ・ ・ 












明日もテレビの収録が入っている。














寝ないと体が持たないと、目を閉じるが、

エリクの顔が浮かんで、眠れない。











寝ても覚めても、エリクのことばかり想っていた。














エリクは今夜、家族と過ごしていた。


エリクの両親が、メンバーも家族同然だからと、


招待してくれたのだが


ヘソンは行けなかった。











明日行ってしまう、エリクを前に、

いつも通り、

ただのメンバーの一人として、

振舞える自信が、なかった。













きっと取り乱してしまうであろう、へソンを見ては

エリクの両親も、尋常ではないと思うだろう。






















薄情な人間と思われてもいい、

ヘソンのエリクに対する気持ちを、

知られるわけにはいかなかった。





















静寂を破って、

けたたましくインターホンの音がする。













何事かと玄関に向かうと

数人の話声に混じって、ヘソンを呼ぶ声が。


















J「ヘソンひょ〜ん、

エリひょん連れてきたよ〜

開けて」















へソンは慌てて、ドアを開けた。














H「エ・・・・リク」








ドアの向こうには、ジニに肩を組まれたエリク、

その後ろにミヌにドンワン、エンディが。

















H「・・・・どうして?」

ヘソンの瞳から涙が、零れ落ちた。














エリクは無言で、ヘソンを抱きしめる。












エリクの胸にしがみつき、

子供のように声をあげて

ヘソンは泣きじゃくった。






















月灯りに照らされて、

ヘソンの白い綺麗な体が、浮かび上がる。















エリクはヘソンのすべてに

一つ一つキスをおとしていく。










ヘソンのすべてを記憶するように








ヘソンがエリクを忘れないように













記憶を、その体に刻み込んだ。














ヘソンはずっと泣き続けていた。













エリクに抱かれて一つになった時、












H「エリク、



俺をさらって」

















E「・ ・ ・ そうしようか」
















月の光に照らされて

ヘソンが儚く微笑んだ。











2009年01月03日(Sat)

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