† sin2 (短篇小説)

□痛みさえも
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「痛っ」



ヘソンが、小さな悲鳴をあげる



「痛いよ、エリク」



「我慢しろよ」








ヘソンの耳朶に、針を突き刺した。

白い首筋に、赤い血が一筋、流れ落ちる

首筋に舌を這わせ、ゆっくりと舐めとっていく



「鉄の味がする」



「舐めるなよ 」



ヘソンが嫌がって、身体を捻る



「ヘソンのものは、全部俺のもの」



「だからって、血とか舐めるなよ」



「なかなか止まらないな」



ピアスをする為に開けた穴から、また血が流れ落ちる

こんどは唇を寄せて、ヘソンの血を吸う



吸血鬼になった気分だ



「吸血鬼は、永遠に生きられるんだよな 」



「また、変なこと言ってる 」



「俺が吸血鬼なら、真っ先にヘソンを仲間にする 」



「・・・・・」



「違うな、ヘソンだけ仲間にする

そうすれば永遠に、一緒にいられる」



「今日のお前、なんか変だよ」



「そうか?」



「うん」









「やっと、止まったな 」



血が止まったヘソンの耳朶に、ピアスをはめる



「痛っ」



ヘソンが、顔をしかめる



「痛いか? 」



ヘソンが、小さく頷いた



癒すように、頬を撫でる。











「綺麗だな」



ピアスをつけたへソンを、じっと見つめた。



ヘソンが、拗ねて唇をとがらせる。



「なんで、針で開けるんだよ 」



「ヘソンは、俺のものだから」



「理由になってない 」



「大人しく、されるお前も、どうかと思うよ 」



「俺は、いいんだよ、エリクになら、何されたって 」



言ってから、しまったと言う顔をして

へソンが、横を向く



「何されたっていいって? 」



ヘソンの顎を捉えて、口づける



「口開けろよ 」



「やだ」



「なんでだよ 」



「血の味がしそう 」



「何されたっていいんだろ」



しぶしぶと小さく開いた、ヘソンの唇をこじ開け

逃げるヘソンの舌を、絡めとる。



「次は、舌に開けるか 」



「嫌だっ 」



「どうして 」



「ご飯食べるのに、邪魔だから 」



「そんな理由か 、ヘソンらしいな 」



ヘソンの胸元をはだけ、赤く色づいた突起を、舌先で突く。



「やだって」



口に含んだそれを、キツく吸い上げる。



「ん・・・っ 」



片方もゆっくりと指で愛撫する。



「はぁっ・・・・ん」



ヘソンが小さく喘ぐ



「もっと声出せよ 」



「やだ 」



ヘソンの顔を見下ろし、突起をきつく抓む



「次は、ここに開けるか 」



「嫌だって」



「じゃあ・・・・」



「おへそに開けるのも、嫌だ 」



エリクの言葉を遮って、ヘソンが言った

少し、脅えた表情の ヘソンにキスをする



「冗談だって」



「今日のエリクは、少し怖いよ 」



「ああ、悪かった」



「うん 」



「続きしてもいいか? 」



「・・・・やだけど、いいよ」



ヘソンがエリクの首に両手を回し、引き寄せた。



「エリク 、好きだよ 」



今日は、口に出して言わないといけない気がした。



エリクが、嬉しそうに笑う。












エリク



俺の全部を、お前にやるから



だからそんなに、不安になるな・・・・・








2009年04月06日(Mon)

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