† sin2 (短篇小説)
□痛みさえも
1ページ/1ページ
「痛っ」
ヘソンが、小さな悲鳴をあげる
「痛いよ、エリク」
「我慢しろよ」
ヘソンの耳朶に、針を突き刺した。
白い首筋に、赤い血が一筋、流れ落ちる
首筋に舌を這わせ、ゆっくりと舐めとっていく
「鉄の味がする」
「舐めるなよ 」
ヘソンが嫌がって、身体を捻る
「ヘソンのものは、全部俺のもの」
「だからって、血とか舐めるなよ」
「なかなか止まらないな」
ピアスをする為に開けた穴から、また血が流れ落ちる
こんどは唇を寄せて、ヘソンの血を吸う
吸血鬼になった気分だ
「吸血鬼は、永遠に生きられるんだよな 」
「また、変なこと言ってる 」
「俺が吸血鬼なら、真っ先にヘソンを仲間にする 」
「・・・・・」
「違うな、ヘソンだけ仲間にする
そうすれば永遠に、一緒にいられる」
「今日のお前、なんか変だよ」
「そうか?」
「うん」
「やっと、止まったな 」
血が止まったヘソンの耳朶に、ピアスをはめる
「痛っ」
ヘソンが、顔をしかめる
「痛いか? 」
ヘソンが、小さく頷いた
癒すように、頬を撫でる。
「綺麗だな」
ピアスをつけたへソンを、じっと見つめた。
ヘソンが、拗ねて唇をとがらせる。
「なんで、針で開けるんだよ 」
「ヘソンは、俺のものだから」
「理由になってない 」
「大人しく、されるお前も、どうかと思うよ 」
「俺は、いいんだよ、エリクになら、何されたって 」
言ってから、しまったと言う顔をして
へソンが、横を向く
「何されたっていいって? 」
ヘソンの顎を捉えて、口づける
「口開けろよ 」
「やだ」
「なんでだよ 」
「血の味がしそう 」
「何されたっていいんだろ」
しぶしぶと小さく開いた、ヘソンの唇をこじ開け
逃げるヘソンの舌を、絡めとる。
「次は、舌に開けるか 」
「嫌だっ 」
「どうして 」
「ご飯食べるのに、邪魔だから 」
「そんな理由か 、ヘソンらしいな 」
ヘソンの胸元をはだけ、赤く色づいた突起を、舌先で突く。
「やだって」
口に含んだそれを、キツく吸い上げる。
「ん・・・っ 」
片方もゆっくりと指で愛撫する。
「はぁっ・・・・ん」
ヘソンが小さく喘ぐ
「もっと声出せよ 」
「やだ 」
ヘソンの顔を見下ろし、突起をきつく抓む
「次は、ここに開けるか 」
「嫌だって」
「じゃあ・・・・」
「おへそに開けるのも、嫌だ 」
エリクの言葉を遮って、ヘソンが言った
少し、脅えた表情の ヘソンにキスをする
「冗談だって」
「今日のエリクは、少し怖いよ 」
「ああ、悪かった」
「うん 」
「続きしてもいいか? 」
「・・・・やだけど、いいよ」
ヘソンがエリクの首に両手を回し、引き寄せた。
「エリク 、好きだよ 」
今日は、口に出して言わないといけない気がした。
エリクが、嬉しそうに笑う。
エリク
俺の全部を、お前にやるから
だからそんなに、不安になるな・・・・・
2009年04月06日(Mon)