short novel

□Dubbio 後編
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 先日麻薬所持である個室に閉じ込められながら困惑していた
身に覚えの無い麻薬だけではないある程度の余裕を持って提出していたはずの書類も期限ギリギリに提出されていたり、
提出期限に間に合っていないものもあったそうだ
 自分自身は仕事はちゃんとやっていたはずだった・・・・・なんの問題も無く

「なんでこんな事になったんだろ・・・・」
「仕組まれてるから」
「ッ!!」

 顔を見せたのは普段良く話していたヴェウだった
顔を見れて嬉しい反面、怪しさを覚えた

「・・・・・どうしてそんな事分るんですか?」

自分でも答えはなんとなく分かった、だけど認めたくなかった

「私が全部仕組んだから、」

返ってきた答えは予想通りの、知りたく無かった事実だった

「気付いてなかった?遅れた書類、全部私を通して提出してたよね?」
「・・・・・・・」

 確かにその通りだった
よく完成した書類をヴェウに渡して提出してもらっていた
ヴェウが持って行ってくれると言ってくれたのを信用して後の事は任せっきりだった
だからヴェウが何時提出してくれているかなんて知らなかったし、その必要も無いものと思っていた

「新人って好きだよ、欺きやすいから」

ショックだった慕っていた先輩から出た言葉は裏切りでしかなかった

「・・・・・・最近麻薬所持が多かったのは貴方が仕組んだこと?」
「そうだよ、それにしてもすごいな
もう私を敵と見て敬語を外してきた」
「ボンゴレでは麻薬はご法度、それを所持していた以上味方と見る事はできない」
「賢明な判断だ、けど今の君を信じる人間がいるか?誰に言っても意味無いと思うぞ」

 そうなるように仕組んだとういことだと瞬間的に判断できた
おそらくヴェウは雇われたフリーのヒットマンか敵対しているファミリーの人間なんだろう
現在のボンゴレボスは若い、
今が好機だと思い仕掛けてきたんだろう
有望な新人を消せばボンゴレは弱体化する

「一番効率良くボンゴレの人間を消すにはこの方法が有効だった」
「その通り、良く分かってるな
大変だったよ、評判を徐々に悪くするのは
・・・・まぁ今更知っても意味無いけど
それじゃあな」

 ヴェウのやり方は実にいいものだ
ボンゴレは麻薬を禁じている、それはよく知られている周知の事実だ
所持している者を放置すれば周りからの反感をかってしまうから裁くしかない

「嵌められたな・・・・・・」

 それでもあせりは無かった
ボンゴレが、自分が気づくような事に気付かないはずが無い、ひょっとしたらもう気付いているかもしれない
今できるのは誰かが証拠を見つけてくれるのを待つ事だけだった・・・・・
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