short novel

□Dubbio 中編
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 朝一番、私はパニック状態だった

(あれ・・・・??報告書何処にやったっけ???)

 確かに昨日まとめて書類棚に入れておいたはずだった
だけど今日、昨日入れたはずの棚からは見つからなかった
念のために他の棚も探したものの見つからなかった
あの書類は今日提出の、しかもあのヴァリアーに渡るはずの書類だった
しかし直接渡されはせず一度ボスに書類を見ていただかなくてはならない
ボスは今日の午後から私用で明日の夕方までは戻らない、
だけどヴァリアーに書類を明日の午後までに渡さなければならない
つまり今日の朝の内にボスへ提出できないと命が危ない
それが分っているから先ほどから必死に探しているものの書類は見つからない
もしかしたら棚に入れたと言うのは自分の思い違いで、ひょっとしたら全く別の場所に保管してるのかもしれない
そうだとすると後数時間で他の仕事をしながら探すなんて無理だ
どうするべきかと悩んでいると声をかけられた

「どうしたの?眉間のシワがすごいよ?」
「うわっ!!!未・・・未夜斗様?」
「そうだよ、様はいらないけどね、
 確かアスターだったよね?それよりどうしたの?」
「もっ申し訳ありませんッ!
 明日の正午までにヴァリアーに提出予定の書類を失くしてしまいましたッ!」
「ッ!!・・・確かその書類は綱吉君を通さないとダメなんだよね?」
「はい・・・・・」
「綱吉君は今日の午後から丸一日以上は戻れないし・・・・
けど出発までの時間もあまり無いね・・・・」
「申し訳ありません!私がしっかり保管していればこんな事にはッ・・・・・!」

 未夜斗様の深刻な顔を見て、自分がどれだけの事をやらかしたのか思い知らされた
その重みに耐え切れずに私は震えた
だけどそれを察した未夜斗様が声をかけてくれた

「大丈夫だよ、アスターは今まで失敗が無かったから怖かったよね?
大丈夫、ヴァリアーの方には提出期限を遅らせるように頼んでおくから
その間に書類をよろしくね?」
「ハイッ!!ありがとう御座います!!!」
「うん、それじゃあね」
「ハイッ」

(・・・・・・助かった)

 未夜斗様が居なかったらきっととんでもない事になってた
本当に助かった・・・・・・・

(それにしても書類は本当に何処へいったんだろう?)
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