main

□My own.
1ページ/2ページ

「英二先輩、どうしたんスか??」



[かまってちゃん]の英二先輩が今日は物憂げに木陰に座ってて



俺はそっと近づいていく



いつもは俺を見ただけで抱きついてくるのに…



先輩はゆっくりと俺との視線を絡ませた




「おチビ…」




掠れた声に何も返事をすることができない



「もう…俺疲れちゃったよ」



先輩は部活に疲れているのでもなく



学校生活に疲れているのでもなく



「女の子に嫉妬するのはもう止めたい…おチビ、助けて…」



言葉の最後は涙とともに俺の口の中へと消えていく



「おチっ…」


「何やってんの??ほら英二、練習に戻るよ」



互いの唇が離れるのとほぼ同時に



先輩を悩ます人の声が耳に入ってきた



「ふ、「不二先輩、すぐに英二先輩をあんたから奪ってみせますから。」



俺は英二先輩の言葉を遮り、不二先輩に宣告する



「へぇ〜それは楽しみだね」



余裕そうな言葉の裏には焦りの色が見え隠れしていて





ねぇ、先輩。



恋っていうのはね



相手を想うことに疲れたら



モウオワリナンダヨ??





これでやっと手に入れられる



何よりも、何よりも欲しかったんだ



残念だったね、不二先輩



英二先輩はもう



My own.



*オワリ*
次へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ