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□My own.
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「英二先輩、どうしたんスか??」
[かまってちゃん]の英二先輩が今日は物憂げに木陰に座ってて
俺はそっと近づいていく
いつもは俺を見ただけで抱きついてくるのに…
先輩はゆっくりと俺との視線を絡ませた
「おチビ…」
掠れた声に何も返事をすることができない
「もう…俺疲れちゃったよ」
先輩は部活に疲れているのでもなく
学校生活に疲れているのでもなく
「女の子に嫉妬するのはもう止めたい…おチビ、助けて…」
言葉の最後は涙とともに俺の口の中へと消えていく
「おチっ…」
「何やってんの??ほら英二、練習に戻るよ」
互いの唇が離れるのとほぼ同時に
先輩を悩ます人の声が耳に入ってきた
「ふ、「不二先輩、すぐに英二先輩をあんたから奪ってみせますから。」
俺は英二先輩の言葉を遮り、不二先輩に宣告する
「へぇ〜それは楽しみだね」
余裕そうな言葉の裏には焦りの色が見え隠れしていて
ねぇ、先輩。
恋っていうのはね
相手を想うことに疲れたら
モウオワリナンダヨ??
これでやっと手に入れられる
何よりも、何よりも欲しかったんだ
残念だったね、不二先輩
英二先輩はもう
My own.
*オワリ*