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□1時間目の国語
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「じゃあ、菊丸君。7行目まで読んでくれる??」
「はい」
そう返事をして俺は立ち上がった
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
雪ニモ夏ノ暑サニモマケヌ
丈夫ナカラダヲモチ
欲ハナク
決シテ怒ラズ
イツモシズカニワラッテイル
「はい、ありがとう。じゃあ次は坂野さん」
「はいっ」
席に座って左の席を覗き見れば
教科書に目を向けている不二がいて
欲ハナク
決シテ怒ラズ
イツモシヅカニワラッテイル
周りから見た不二はきっとそんな風に思われているんだろう
だけどそんなのは不二の表面ばかりを見ているに過ぎなくて
独占欲ハアリ
俺二危害ヲ加エル奴ニハ怒リ狂イ
イツモソノ笑顔ノ下ニハ溢レンバカリノ情熱ヲ秘メテイル
そんな不二を知っているのは俺だけで
俺だけってなんか嬉しい
「英二??どうしたの??」
囁く声に瞳を閉じて
雨ニモマケズ
風ニモマケズ
俺ハ貴方ヲ愛シマス
*オワリ*