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□蓮華草
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「ーじ、英二!!こんなところで寝てたの」
目を開ければ不二がいた
「最近暖かくなってきたからね〜」
俺は起き上がって空を見上げた
一番空に近付けるこの場所から見た空は
あのときと同じように青くて
目を瞑ればあの紅紫が広がる気がした
「英二、目を開けて」
言われるがままに目を開ければ
「あっ…」
「これ、覚えてる??」
目の前には蓮華草の花束と冠と指輪
あのときと同じように
花束を持たされて
ふわりと冠を頭に乗せられて
左手の薬指に指輪を通されて
「僕の大事な大事なお姫さま。ずっとあなたを愛することを誓います」
言葉の後に、手の甲、唇へとキスが舞い降りる
「今年も綺麗に咲いていたんだ」
そう言って笑った不二は
やっぱり俺がずっと好きな不二で
「俺も永遠の愛をあなたに捧げます」
今も、明日も、一年後も、ずっと先の未来も
あなたに俺の愛を全て捧げましょう
だからどうか
あなたも誓いを守ってずっと俺を愛して
これからも蓮華草が告げる春を
あなたと共に迎えましょう
*オワリ*