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□蓮華草
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小さな体でそこに立てば
見渡す限りの紅紫色の絨毯
今日の空も真っ青で
すごくすごく綺麗だと思った
『ふじ??なにしてるの??』
しゃがみこんでひたすら何かに励む不二に声をかける
『あとでおしえるけど、いまはないしょ。』
『えぇ〜けちんぼぉ』
ぷーと頬を膨らませて
『じゃあ、いいもん!!』
構ってくれない不二をそのままに
俺は一人でそこらへんを歩き回った
太陽の光が地上に柔らかく降り注ぎ
蝶たちが飛び回り
鳥のさえずる声が聞こえる
『ふぁぁ〜』
それらは俺を眠りの世界へと誘い
俺は持ってきたシートをひきゴロリと寝転び
漂う春の香りに心を休め、静かに瞳を閉じた