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□ゲームレビュー
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【エースコンバット7 スカイズ・アンノウン
(ACE COMBAT 7: SKIES UNKNOWN)】


大人気フライトシュミレーションゲームのナンバリング作品。
主人公は戦闘機パイロットの一人として、近未来を舞台にした架空国家間の戦争に参加することとなる。

風を切って飛ぶ感覚や、平衡感覚の乱れる感じが画面越しでもリアルに伝わるのはまさに圧巻!
トップガンのように大空を飛び回りたい人にオススメ!

(ちなみに筆者は7以外のエースコンバットは初代と2しかやったことがなく、過去作との比較はできないのでご了承ください)


・ストーリー

主人公が所属するオーシア連邦と、無人機を使いこなすエルジア王国の間で戦争が勃発。
当初は国家間同士の争いだったものの、やがて無人機の暴走が始まり……。


・良かった点

とにかく臨場感が凄い。
本当に空を飛んでいるような感覚になる。
高度を上げていくと周囲がダークブルーになっていくのがとても楽しい。
景色の美しさも気分を高揚させてくれる。

敵機を撃墜するのも爽快感があり、敵機が爆発&破片が飛散するのを見るとスカッとする。
また、架空の超大型機体も登場するため、盛り上がりも十分。
ミッションクリア後のリプレイを見ていると映画の主人公気分を味わえる。

機体についてはオーシア連邦が西側、エルジア王国が東側の機体を使用しているが、主人公がミグやスホーイに乗ることも可能。
機体ごとに操作感が結構違って面白い。特にミグ。

それからシナリオがしっかりしており、ミッションのバリエーションもそれなりにあるので、ただ敵を倒すだけの単調なゲームではない。
まぁ、ミッション内容については言いたいことが結構あるが……。

登場人物もキャラが濃く、ミッション中の会話がゲームの良いアクセントになっている。
というか最序盤は模範的な性格の同僚ばかりであまり面白味が無かったが、途中からギャンブル狂や撃墜数水増し野郎なんかが出てきて急激に濃くなる。
主人公の異動による出会いと別れがあるものの、ミッション5〜9あたりはアウトローどもの会話内容が酷すぎてゲラゲラ笑ってしまった。

BGMもミッションごとに異なり、それぞれのストーリーに合った雰囲気を演出している。
個人的には初めて懲罰部隊で飛んだ時の物騒で軽快な曲がテンション上がって好き。


・悪かった点

精密な操作を要求されるシーンが想像以上に多く、ストレスが溜まる。
電流イライラ棒みたいな……。

また、頻繁に敵に囲まれるので「やっと敵影を捉えたと思ったら、別の敵に後ろから狙われた!」となる事が多い。
私の技量不足もあるが、操作そのものも難しく、初心者が気軽に楽しめる雰囲気ではない。
プレイヤーもガッツと根気が必要。

操作は簡単なタイプ(STANDARD)と細かく制御できるタイプ(EXPERT)の二種類あり、一見すると初心者はSTANDARDをやればいいと思うが、そちらは即座に背面飛行に移行することができない。
つまり回避行動が取りにくくなるため、どちらかといえばEXPERTで慣れた方がいい。
操作に慣れると結構楽しいが、最初は地面に激突しまくっていたので、ここでプレイヤーがふるいにかけられるような気がする。
(一例としては、STANDARDではレバーを倒した方向に旋回するが、EXPERTはレバーを倒した方向に向かって翼が下がる(機体が傾く、ロールする)だけなので、そこからさらに機首を上げないと旋回できない。その代わり、操作の自由度が高い)

それから僚機の働きがわかりにくい。
攻略サイトを見たら味方も敵を倒してると書いてあったが、プレイ中は主人公が毎回一人で孤軍奮闘しているような気分になっていた。
敵を引きつけて飛んでいるような雰囲気は感じたものの、逆に言えばそれだけみたいな……。

しかも無線の会話自体は面白いのだが、必死に敵と戦っている時に突然重要な事実が発覚する事がある。
戦闘に集中していると聞き逃してしまうので、無線のアーカイブや会話内容を後から読み返せるバックログ機能が欲しかった。
(※他のゲームでもよくある事なので、悪い点というより要望)
一応リプレイでも聞けるものの、顔グラと字幕が無いので寂しい。

また、作戦中に突然ミッションがアップデートされ、想定と違う作業をやらされることもある。
「前半に合わせた装備で出撃したら後半でボコボコにされた!」みたいな事態が頻発するので、もう何も信じられない。

特に対地装備推奨ミッションほど後半空中戦やらされるイメージがある。
ぶっちゃけ対地攻撃なんか地面スレスレに飛んでミサイル撃てばなんとかなるので、特殊兵装はそれ以外のヤツ選んだ方がいいんじゃないかな……。

だから機体や兵装だけチェンジしてリトライしたくなることが多いのだが、同じ機体でなければミッションのリトライができない。
変更したい場合はメインメニューからミッションを選択し直さなければならず、ローディングやブリーフィング画面が挟まってテンポが悪い。

また、「マニューバ」と呼ばれる空中戦闘機動についての解説がローディング画面に表示されるのだが、旋回の角度や動きを文章だけで理解するのはなかなか厳しいものがあり、全く頭に入って来なかった。
「インメルマンターン」などのマニューバ名を覚え、ネットで調べて図解を見てようやくわかるような有り様だったので、こういった点でも初心者に優しいとは言い難い。
マニューバを習得するチュートリアルモードがあればもっとライト層に売れたのではないかと思う。


・登場人物

<トリガー>
昔のRPGと同じ、喋らないタイプの主人公。
同僚のカウントからも「無口」とネタにされている。
腕が良いのが仇となり、いつも無謀なミッションを押しつけられ──ではなく、困難な状況に挑んでは必ず生還するので、エイブリルからは「大馬鹿野郎」という愛称(?)で呼ばれている。
仲間からは「トリガーについて行けば生き残れる」と評判だが、今作は難易度が高く、プレイヤーは自分が生き残ることで必死なのであまりピンと来ない。


<スクラップクイーン>
(本名:エイブリル)
勝ち気な性格の女性エンジニア。
高い技術力を持ち、スクラップ機体の部品を集めて、飛べる機体を作り出せる程の実力を持つ。
本作の語り部で、正直トリガーより主人公らしい気がする。
凄まじい行動力があり、パイロットではないのにも関わらずシナリオで重要な働きを担っている。


<カウント>
トリガーの仲間のパイロット。
「カウント」は伯爵という意味で、自称貴族の血筋。
しかし詐欺罪で懲罰部隊に入った人間なのでどこまで本当か不明。
口が達者で、台詞が無いトリガーの代わりに調子良く喋りまくる。
あまりにも喋るので、プレイを見ていたうちの母は「口だけ野郎」と呼んでいた。
とはいえ軽口や皮肉が面白いので、彼の無線を聞くのはわりと好き。
初対面の時はトリガーに対してライバル意識バチバチだったが、中盤から相棒的なポジションになる。
彼が精神的な成長を遂げる様子は、第二の主人公と言っても過言ではないと思う。


<コゼット王女>
政治利用されていた、敵国エルジアの心優しい王女。
金髪で、女性らしい物腰柔らかな雰囲気を持つ。
放送でエルジア国民を鼓舞しているのだが、オーシアでも彼女の放送を楽しみにしている者がいたりいなかったり。
意外とガッツがあり、緊急時には捨て身の行動で仲間を助けようとする。
エイブリルと同じく、地上で大活躍する。


<ミハイ>
天界の王と呼ばれている、敵国の撃墜王。
というか本当に元王族なのでフルネームがめっちゃ長い。
渋くてイケメンのジジイで、こちらのネームド僚機を次々と撃ち落としていく。
言動は完全に戦闘狂だが、声のトーンが落ち着いているので一見そこまでやべーやつに見えない。
部下からはかなり慕われており、美人の孫娘が2人もいる。
敵パイロットとして何度も主人公の前に現れるほか、彼の動きを学習した、鬼のように強いAI操縦無人戦闘機が今作の主な敵である。


<Dr.シュローデル>
敵国の研究者で、語り部の1人。
無人戦闘機のAI研究に携わっており、技術の向上に執心するあまり内なる狂気に取り憑かれている。
しかし理性的な部分もまだ残っているため、ミハイに比べるとまだ突き抜けた狂気は感じない。
なんだかんだ悪い人ではないという印象。


・ミッション感想

<ミッション1>
空と海が綺麗で感動した。

<ミッション2>
最初のブリーフィング詐欺。
爆撃って言ったじゃん!
敵のUAV(無人機)が速すぎていきなり挫折するかと思った。
難易度Nomalでミサイル使い切ってしまったので、諦めて弾数無制限のCasual Easyに難易度変更。
機体をF-2Aに、特殊兵装をHVAA(空対空ミサイル)にしてどうにか突破。
対地装備なんか要らないんだよ!(半ギレ)
ちなみにNomalで弾切れになると一定のタイミングで1発だか2発だか自動補充される。焼け石に水である。

<ミッション3>
ミハイ初登場。
ストーキング行動がちょっと変態じみているが、イケメンジジイなので全て許される感じがする。
アーセナルバードもミハイもテーマBGMが怖い。
あとなんかMGS2のアーセナルのBGMに似てない?

<ミッション4>
電流イライラ棒めいたことをやらされる。
機体をロール方向に90度傾けて飛んでいたら平衡感覚が無くなってきて、オートパイロットで感覚をリセットしていた。
あと途中で道に迷った。

<ミッション5>
カウントが猫被ってて笑える。
一人称が「僕」なのここだけじゃね?
撃墜目標以外の敵影に気を取られているとタイムアップしがち。
しかしミッション失敗時に聞ける「ざまあみろ!ヒャッハー!」は大爆笑してしまった。
司令部高圧的だから良い気味だよね。わかるわかる。

<ミッション6>
効率の良い稼ぎ方がよくわからなくて何回かリトライ。
4AAM(4目標同時ロックオンできるミサイル)で対地目標を攻撃しようと思ったら使用不可だった。
ミサイルの誘導方法的な理由なんですかね?

<ミッション7>
雷鳴轟く暴風雨の中で、桂林のタワーカルストみたいな場所を飛ばさせられる。
視界は最悪だし目標物が岩影でわかりにくいし良いことが一つも無い。
でもミハイ戦はちょっと楽しい。

<ミッション8>
砂嵐。あまり記憶がない。

<ミッション9>
雲の上に出るとダメなのだが、道に迷うと山が邪魔で雲の上に出てしまう。
しかし景色はそれなりに良い。
ヘリオスはSFっぽくて楽しかった。

<ミッション10>
マッキンゼイが嫌いで、ミッション開始直後に機銃を数十秒撃ち込んでしまった。
ミッション失敗時はマッキンゼイの断末魔が聞けるかと思ってウキウキしたが、特に何も無くてガッカリ。
しかしミサイルの煙を頼りにSAM見つけるの難しくね?

<ミッション11>
軍オタじゃないのでよくわからないが、西に進むと真上からミサイル撃ち込まないと壊せない攻撃目標があって時間を食う。
東のイージス艦を撃沈するのが一番楽だった。
でも海面スレスレを飛んだ時の波エフェクトがしょぼいのがちょっと残念。
海面にぶつかった時も地面にぶつかった時と同じような反応だった。

<ミッション12>
アーセナルバードの周辺を飛ぶUAVのせいでミサイルのロックオンが定まらず、最終的に機銃でプロペラを破壊した。
ストーンヘンジを手動で撃つ展開は好き。

<ミッション13>
サイロへの爆弾投下が思った以上に難しくて二度とやりたくない。
上手くいかなさすぎて、垂直降下しながら投下したりした。
当然何回か地面に激突した。

<ミッション14>
空中給油、強風すぎて位置の微調整難しくない?
渓谷を潜り抜けるので、機体は小さい方が楽。
最初トップガンの影響でF/A-18Fを使ったら、大型機体だったので全然上手くいかなかった。
狭いところはMIG21bis一択だと思う。
ピザ配達の無線会話は面白かった。

<ミッション15>
あまり記憶にない。
地上目標を通り過ぎてしまった時に大きく旋回すると、角度が上手くつけられずにまた通り過ぎてしまって難しかった……ような?

<ミッション16>
面倒くさくなって識別前の機体を片っ端から撃ち落としまくってたら怒られた。
ここでトリガーのハーリング殺しが濡れ衣だった事が判明するが、護衛任務がしんどすぎて会話を聞き逃しかけた記憶がある。
BGMはわりと好き。

<ミッション17>
体張ってる王女様を死なせたくなくて頑張ったけど、普通に間に合わなくてリトライした。
時間制限厳しくない?

<ミッション18>
夕焼けのシラージ城が綺麗なので観光気分でプレイしていた。
このステージの落ち着いた音楽も結構好き。
ミハイ戦でテンション上がりすぎて特殊兵装の存在を忘れ、そのまま通常ミサイルで倒したらメダルが貰えた。

<ミッション19>
無線が最も盛り上がるミッション。
地上組とカウントがドラマチックな動きを見せる。
しかし、ギスギスした懲罰部隊時代に「俺はトリガーについていくぜ!」などと言って和ませてくれたタブロイドが死んでしまったのは結構ショックだった。

<ミッション20>
最後あのトンネルに入って行くと思わなくて何度か上空を旋回した。
あれって車両用のトンネルですよね???
空中戦用の機体をチョイスしていたが、トンネルがあまりにも狭くて気が狂いそうだったため、MIG21bisに機体変更して最初からやり直した。
このミッション本当に頭おかしいと思う。
カウントがついてきてくれたので寂しさは紛れたものの、トンネル抜けは本当にストレスしか無かった。
もう二度とやりたくない。
垂直エレベーターを上る時は、早く終わりたくて祈りを捧げるような気持ちでプレイしていた。
あんなに仲の悪かったフーシェンがカウントを心配していたり、みんなしてトリガーを褒めてくれたり、ストーリー的には楽しかったものの、本当にもう二度とやりたくない。


ーーーーーーーー
以上、レビューでした。
最後かなり愚痴っぽくなってしまったけど、空が好きな人なら楽しめると思うのでオススメ!
ダークブルーの空はいいぞ!

……それにしても墜落時の「トリガーが落ちたぞ!」を聞くと、メタルギアソリッドポータブルオプスの「通信が途絶えたぞ!」を思い出す。
キャンベルとカウントの雰囲気が似てるからかな……。
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