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□ゲームレビュー
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【FF15】


ファイナルファンタジーシリーズのナンバリング15作目にして、長い長い開発期間を待ち続けていたファンの想像を斜め上に突き抜ける極上テイストで強烈なインパクトを残した話題作。

凄まじく豊富な種類のバグを誇り、特に立ったままチョコボに騎乗してしまう「イグニス乗り(※公式名称)」や、仲間が壁や車にめり込むバグ等が特に有名。

シュールな笑いと悲しく切ないストーリーの織り成すコントラストが、腹筋に優しくない化学反応を引き起こす!

ちなみに大ボリュームのアプデ地獄が待っているのでネット環境推奨。
通常版なら値崩れして2,000円程度で購入できるので、興味が湧いたらプレイしてみるといいよ。


・ストーリー

一言で表すと指輪物語。

真面目に言うと、亡国の王子が故国奪還のために旅立つ話。
そう聞くとシリアスっぽいが、実態はどちらかというと大自然の中でのアウトドアや美麗な街並みの散歩とかがメインの旅ゲー。

中盤の水の都ではかなり緊張感のある展開で、胸が苦しくなるほど盛り上がった……が、そこがピークだった気がしないでもない。

終盤はもうひたすらテンション下がっていく。
ゲーム画面自体も暗いし主人公かわいそうすぎて辛い。

旅ゲー的にはクリア後が本番で、超弩級の巨体モンスターを討伐したり、高難易度アクションダンジョンで心折れたりしながら楽しめる。

制作者曰く、序盤はオープンワールドで中盤からリニアパートとのこと。
実際「リニアモーターカーかな?」みたいな駆け足展開が続き、気持ちが追いつかないことも。

例えるなら「悪の製薬会社をぶっ潰しに行くつもりが、気づいたらその企業は株価の暴落で倒産してたよ…なけるぜ(by某合衆国エージェント)」ぐらいの呆気なさがある。
終盤の展開を好意的に解釈すれば、より大きな視点での世界の危機を表現するために、先に出てきた敵を簡単に退場させた……のかなあと思うけど、正直打ち切り漫画感は否めない。

ちなみにプレイしてる時は、派手な演出と声優さんの迫真の演技で流されてしまった。
だってひろし凄いんだもん。
ノクトも頑張ってたし。

よく考えると「ん?」ってなるポイントも多いが、ムービー自体の出来はかなり良いので、ムービーゲーとしてはかなりの水準。
海好きとしてはやはりオルティシエがクライマックスですね!



・キャラクター紹介

〈ノクティス〉

ルシス王国の王子。
仲間からはノクトと呼ばれている。

ビジュアル系ロックバンドみたいな見た目で口調も軽い。
でも見知らぬ人から面倒な頼み事をされても「ああ、いいぜ」の一言で引き受けてくれる好青年。
かなり愚痴っぽいものの、基本的に優しい。

ただし大事な気持ちをなかなか喋らない時があり、「こいつ一体何考えてんだ!」みたいに思ったグラディオと喧嘩になる事がある。
ラストでは少し素直になるが……

また、ルナフレーナという両想いの許嫁がおり、お互いに一途過ぎて猛烈に甘酸っぱい。
仲間の妹が必死にアピールしてきても気づかないほど。

「シフト」という特殊技能で武器を投げた先にワープすることができ、非常にスピーディーな戦闘が可能。
遠くの敵にも一瞬で接敵できるし、緊急回避にも便利。
スキルを覚えれば、ひたすら空中をビュンビュン飛び回れる。

「やっぱ俺つえーわ」などと調子に乗る事も多々あるが、いざ仲間から褒められると「やめろ!」と恥ずかしがるシャイボーイ。
全体的にイマドキの若者という感じで、案外草食男子感がある。

一番輝いているのは、趣味の釣りをしている時。
魚を釣り上げた後に呟く「あと1回…!(懇願)」や、仲間から「昨日の魚おいしかったよ」と褒められた後の「もっと釣りに行かねーとな!」からも釣り愛が伺える。
プロンプトがやや引き気味になるレベル。
でも本編が鬱なので、釣りくらいは楽しませてあげたい。


〈イグニス〉

メガネの人。
軍師らしいが、あまり賢い作戦を立てていた記憶がない。
(一応DLCでは軍師らしい視点変更モードを引っ提げてくるし、プレイヤー操作時は3種類の属性ナイフを使い分ける等、賢さを感じさせる)

どちらかというとバグ芸人としての地位を確立しており、数々のプレイヤーの腹筋をピンチ状態に追い込んでいる。
真面目な顔でシュールなバグを起こすので破壊力が凄い。

メガネといえば腹黒みたいな風潮があるが、こちらは逆に良い人すぎて気苦労が絶えない性格。
戦闘でも隠し持ったアイテムで仲間を回復してくれたりする。
詳しくはアニメ(公式でYouTubeから無料公開されている)参照。
ノクトの世話役として奮闘するイグニスが見れる。

ノクトを心配するが故に細かい注意や口出しが多く、ノクトから「はいはいはい!」などと煙たがられる事もしばしば。
断末魔も「ノクトォ……!」で、思いの強さが伺える。

念のため申し添えておくとプロンプトにもちゃんと優しいので、ノクトしか見えてない訳ではない。
グラディオラスもイグニスには心を許している感じがある。

料理が得意で、夜間に遊んでいるプレイヤーに飯テロしてくる。
正直軍師よりシェフが向いてると思う。


〈グラディオラス〉

王の盾という、いわゆるノクト専属SPのような立場のパワーキャラ兄さん。
メンバー随一の肉体派なので非常に打たれ強く、プレイヤー操作時も豪快に敵を粉砕できる。

しかしかなり怒りっぽく、ささいな事で理不尽なくらいキレる。
もはや歩く活火山。
何かにつけて罵声と怒号が飛ぶ。
舎弟持ちのオラついたヤンキーに近いかもしれない。

個人的に、リアルで自分がいつも世話になってる、面倒見が良いけど超怖い先輩にタイプが似てるので、ちょっと苦手。
プロンプトもグラディオに褒められるとなぜか畏縮するので、同じ気持ちなのかもしれない。

ノクトとは根本的な部分でそりが合わないのではないかという疑惑がある。
オフの時は仲良く笑い合うこともあるし、信頼関係もあるが、心の奥底ではノクトみたいなタイプがあまり好きではなくて、戦闘中などのピリピリしている時にはそれがすぐ噴出してしまう的な?
逆にイグニスとは盟友感がある。

写真映りはとても良く、たいていカッコよくなる。
話上手らしく、女性にモテるとの事。
ホスト4人旅と揶揄されることもある本作だが、たぶんグラディオがメンバー唯一の肉食系男子だと思われる。


〈プロンプト〉

写真で旅に彩りを添えてくれるムードメーカー。
唯一の一般人で、ノクトの親友。
ノクト以上にチャラく見えるが、実は高校デビューしたクチで、本当は根暗だったりする。

プロンプト操作時はほぼシューティングゲーになり、TPS好きには非常に楽しい。
弾が時間経過で自動回復するので、好きなだけ撃ちまくれる。「かっ飛べ!」

ただしAI操作ではなぜか接近戦を挑もうとするので、体力が低いのもありすぐ死ぬ。
どうしていつもスライディングしながら敵に近づいていくんだ……。

道中撮ってくれる写真は変なのがしょっちゅう混ざっていて笑える。

例えばイグニスの体がモンスターに半分めり込んでいたり、グラディオの足関節がおかしな方向に捻れていたり、しゃがんだ拍子にノクトの頭が壁に埋まっていたり、寝転んだプロンプトを何本もの枝が貫通していたりする。
このゲーム当たり判定がおかしいからね、仕方ないね。

またノクトがぶっ飛ばされている瞬間も激写することがあり、その度にノクトが仲間達から弄られる。
ノクトの「撮ってないで助けろよ!」という魂の叫びが好き。

一応ちゃんとした写真も撮ってくれる。
エンディングのスライドショーのために、集合写真やツーショットを多目にアルバムに残しておくことを推奨。

ちなみにアルバムがパンパンになってから整理し始めると地獄を見るので、どうしても残したい写真だけアルバムに保存し、他は「シェア機能で送信しようとすると、先にPS4本体のスクリーンショットに保存される」仕様を利用するとよい。

で、プロンプトの話に戻ると、言動にちょっと女子っぽい部分があり、その辺がプレイヤーの男女間で評価が割れている。(個人的見解)

またしょっちゅう体を揺すったり、座っているときに足をパタパタさせたりするなど落ち着きがない。
思ったことをすぐ口に出したり、ちょっと子供っぽい部分がある。

しかし人を褒めるときも素直なので、和やかな雰囲気を保つのに一役買っている。


〈ルナフレーナ〉

ノクトの婚約者で、愛称はルーナ。
神凪という、いわゆる巫女職をしている。
正統派な清楚系ヒロインで、悲壮感が漂う程に健気。
個人的には髪を下ろしてる方が可愛いと思う。

彼女が渡してくれる「神凪の逆鉾」という武器でシフト攻撃すると、ノクトが敵の遥か頭上からダイブして逆鉾を突き刺す竜騎士風のモーションが見られる。
本人の出番が少ない分、武器だけでも使ってあげてほしい。


〈レイヴス〉

ルナフレーナの兄で、帝国の将軍をしている。
唯一の肉親である妹を大事にしており、妹の婚約者のノクトがなんかいまいち頼りない上にルシス王家に恨みもあって毛嫌いしている。

DLCでは、イグニスとは若干わかりあえており、息の合ったコンビネーションを披露してくれる。
ただし言動はツンデレ。
攻撃はサーベルによる突きが多く、踏み込みが非常に速い。


〈イリス〉

グラディオラスの妹。
ノクトに片想いしている。
兄貴と違って小柄で可愛いが、やはり護衛の家系だけあって武闘派。

パーティーに一時加入した際には、水平蹴りからの踵落としや、背後からの組み付き飛び膝蹴りというまさかの格闘技を披露してくれる。
今作ではステゴロキャラが彼女しかいないので、いる間に堪能しよう。

パリィカウンターするとモーグリ人形を投げて援護してくれる。
かわいい。


〈アラネア〉

槍を扱う傭兵おねえさん。
銀髪のグラマラス美女で、ハイウィンド姓の竜騎士枠。

最初は帝国に雇われていたため戦闘になるが、その後は様々な場所で一緒に戦ってくれる。

天高く飛び上がって敵に急降下するエア・スペリオリティがカッコいい。
今作では竜騎士っぽいのが多いが(ハイジャンプイグニス、逆鉾ノクト、セブンイレブン購入特典で見れる若い頃のシド)、おそらくアラネアのジャンプが一番高い。


〈コル〉

ルシスの不死将軍。
パーティーに一時加入した際は、日本刀による居合い斬りで帝国兵を薙ぎ倒してくれる。
渋めのイケメン。

いろいろ働いてくれているらしいのだが影が薄い。
グラディオラスのDLCに登場し、クリアすると本編でコルの昔の愛刀を使えるようになる。
この刀で繰り出すグラディオの二天一流はかなりカッコいいので、刀好きはグラディオDLCもぜひどうぞ。


〈シドニー〉

車の整備士をしている健康美人。
爽やかな看板娘で、大胆に胸元を開けている。
ただし女性スタッフが多かったためか、揺れない。

車の改造を猛プッシュしてくるあたり、技術系オタク特有のなんかを感じる。
珍しい部品を取りに行ってあげた時の笑顔が眩しい。
祖父のシドを「じいじ」と呼んでいる。


〈シド〉

シドニーの祖父で、腕利きのエンジニア。
帝国製の武器を改造してくれる。
昔はノクトの父、レギスの旅の仲間だった。
オルティシエで入国審査対応を任せると、動揺して面白い反応をしてくれる。


・つれぇ点、極上な点

ロードが非常に長い。
いつも本やスマホで暇潰ししながら待っていた。

マップ関連の操作も少し苛立つ。
例えば車の行き先を「目的地から選ぶ」にすると、方向キーで表から選ぶことになるのだが、左スティックで地図上のカーソルも操作できるため、間違って地図上でカーソルを合わせただけで○連打すると、表の一番上のハンマーヘッドに行ってしまう。

さらに車を運転中のマップメニューは通常メニュー画面とは別々になっており、そちらの地図では目的地アイコンを設定することができない。

戦闘のカメラワークもいまいちで、障害物でキャラがよく見えなくなる。
上級者はカメラを常に意識して自分で調整するらしいが、なかなかそこまでの余裕は無かった。

クリア後の脅威ダンジョンは別名コピペダンジョンとも呼ばれており、敵の種類が少なく同じような戦闘が続く上にマップも見れないし景色もつまらないし全く面白くない。

しかし同じクリア後ダンジョンでも、プティウォス遺跡は面白かった。
凝ったギミックが多く、謎解き要素もあって飽きない。
ただし操作がシビアで疲れる。

逆にとても良かったのはグラフィック&ムービーで、遠くに霞んで見える山々や、天の川のような星空、夕日に照らされた湖、朝焼けの海など、実際に旅行しているような美しい風景が見られる。

序盤は特に自由な探索ができるので、知らない土地に行って何があるのかワクワクしながら歩き回れて楽しかった。

音楽も壮大で映画のような臨場感があり、聞いているだけで幸せになれる。
特に好きなのはリヴァイアサン戦の曲とクリア前のタイトル曲。

リアル系なチョコボも、案外つぶらな瞳で可愛い。
高い場所からジャンプして滑空すると、楽しさのあまり「ヒャッホォーゥ!!!」とか叫びたくなる。

たまに加勢してくれる事もあり、可愛い。
色も好きに選べて、私はショッキングピンクにしていた。
ただ全員のチョコボを派手な色にするとカラーひよこみたいになる。


・小ネタ等

@削られた設定の中に、「ルシスでは女神エトロ(FF13)という死神を信仰している」というのがあるらしく、主人公一行が黒服集団で、ファッションにドクロ模様を取り入れたりしているのはそのためらしい。
ソースは不明。

A車をオフロード仕様(タイプD)にすると、パーキング時以外はドライブアシストがなくなる。

B足元が水場だとチョコボから降りられないが、敵から攻撃を受けても落下しなくなるため、それを利用してコマンドゲージを最大まで溜めてから戦闘に臨む事ができる。

Cクリア後のタイトルの空は、ずっと待ってると朝焼け→青空→夕焼け→星空→朝焼け…とループする。

Dオルティシエには流しの音楽家トリオ(サックス・ベース・カホン)がいて、日によって居場所が違う。


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以上レビューでした。
プレイ時間が長い程EDで感動できるので、気に入ったらぜひじっくりプレイしてみてね!
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