シリーズ

□僕らのヒミツ
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「レグ…擽ったいよ〜!!」








……………………
……………
…………





あ"あ"あ"ぁ"あ"!!!!!!!!!



あのバカ犬ッ!!!
ナルシスト野郎にベタベタベタベタベタベタッ!!!良い様に触らせやがって!!!!


何だよ何だよッ!!!





ムカつく!!ムカつくッ!!

あのバカ犬も
ナルシスト野郎も


俺もッ!!!!




バカみてぇ…
もうすぐで満月とか…毎日毎日…空見て待ってた自分に腹が立つ…



チタはドッカリとベンチに腰を落として空を仰ぎ見る


丸くてボールみたいな月をガン付けた



『わぁ…チタの左目、まん丸お月様みたいでキレイ♪』



「………なぁにが…"まん丸お月様みたいでキレイ"…だよ…」


ソッと左目に縦に入るキズを指先でなぞる

もう痛くは無いが、つい前足が地から離れていると触ってしまう

時折吹く風にアイツの髪が踊る…
金茶が月の光でキラキラしてて、アイツの方が月みたいなんてバカバカしいコトを考えたり……




「………ホント…バカらし…」



「何がバカらしいのぉ?」


ニュッと横から甘い香りと共に銀髪に茶色と黒が混じった美人な猫に覗き込まれた


「ミケ姉には関係ねぇよ…」


ふくよかな胸の膨らみと体のラインを強調させたドレス姿の美人にチラリと目線をやるとチタは小さく溜め息を吐き出して前に向き直る



「んも〜…相変わらずドライねぇ…」


チタの冷めた反応に大袈裟に溜め息を吐き、ミケは雑木林の方へと歩き出す


「あんまりグズグズしてるとぉ…横から取られちゃうわよぉ〜?」


振り向くコトもせず、ヒラヒラと綺麗に飾られた手を振って消えていくミケの言葉にチタは眉根を寄せた



「…………ンなの…解ってるっての…」


一つ溜め息を吐いて立ち上がる




解っているけど
素直になれないから…





ゼフとレグがじゃれあっている場所を目指してズンズン歩き出す




それでも譲れないと思うのは……





「あ〜!!チタ〜!!」
「…………チッ」



ブンブンと尻尾を激しく振るゼフと近付くチタを睨むレグ



「フンッ…」




それだけ…





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