長編 2

□第四夜
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「ミッヤビ〜♪ミックスサンドとオニギリどっちがイィ?」


ドサッと目の前に白い袋が置かれた

それの中から色々なものが顔を覗かせる


「……ミックスサンド…」

そう自分が呟くと向かいに座る彼が、笑いながら包装されたサンドイッチをくれた


彼の名は浜田 慎也[ハマダ シンヤ]と言うらしい
自分を連れてきた少年等に"依頼"をされたりして金を稼ぎ、暮らしている

あの夜の一件以来、何故か気に入られてしまって、自分を所有するハズの彼の元へ帰ることが出来ない自分を傍に置くことにしたらしい


彼が取り纏める集団が帰ってくると

『今日からコイツ、俺のオンナね〜?手ぇ出したら男として生きられなくしちゃうから〜守るよ〜にッ♪』


口端が上がって笑っているのに、瞳が凶器の様に鋭かった

彼と彼等の力の差が如何に違うか…

彼等は渋々、縦に首を振った



「ミヤビ〜?」

少し前の事を反芻していると、声が聞こえた

ハッと気付いた時には唇同士が付くか付かないか位まで近付いていて


「ん〜…」

「ンっ…」


彼の薄い唇とゆっくり重なった


「クス…ミヤビ、可愛い〜♪」



何度も軽く口付けて満足した彼は満面の笑みを浮かべた


キス等余りされたことがなくて、自然と頬に熱が集まってくる


「〜ッ!!?」

恥ずかしくて目をキョロキョロさせていたら、バシバシッと音がするくらいコンクリートを叩く彼が目に入る



「ヤベェ…これから理性保てっかなぁ…」

ボソッと呟かれた言葉が聞き取れず首を小さく傾げると、更に頭を掻き乱した





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