シリーズ
□僕らのヒミツ
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皆さんこんばんわ♪
何で"こんばんわ"なのかと言うと…
今は、まん丸お月様が高いトコロに登っている夜だからだよ♪
そしてそしてッ!!
今夜は皆さんにだけ、"僕たち"のヒミツをちょっとだけ教えちゃうね?
雛太くんには内緒だよ〜?
「おぃッ!!バカ犬っ!!モタモタしてんなッ!!」
「わゎッ!?ち、チタ…待って…!!」
"僕たち"は月が満ちる日……
雛太くんたちみたいなニンゲンの姿になれる……
……………
…………
………
月明かりが強い日は煌めく星達は全くと言って良い程見えなくなる
雛太くんちの家から数十分…
小さな池と大きな雑木林のある公園に僕たちは着いた
ボンヤリと月明かりに照らされた遊具と公園の入り口には沢山の"ナカマ"が集まっていた
「みんなこんばんわ〜っ♪」
「ゼフ!!夕方ぶり〜♪」
「あらぁ、チタじゃないのぉ…久しぶりねぇ♪」
「「ゼフお兄ちゃんッ!!遊んでぇ〜!!」」
同い年くらいの青年やお色気満載なお姉さん…元気な双子の男のコ…
他にもおじいちゃんやおばあちゃん…赤ちゃん抱っこしてるお母さんや本を読んでる男のヒトまで
全員実は…
色んな動物なんですッ!!
林の奥や遊具で遊ぶナカマたち…
公園の中はそんな"僕たち"で溢れている
何で"僕たち"が満月の日にニンゲンみたいになるかだって?
えへへ…
それは流石に皆さんにも内緒だよッ♪
"僕たち"と"あのヒト"の約束だから…
「ゼフっ!!そんなトコで何やってんだ?」
「わぁっ?!!」
急に後ろから声がして、ゼフが振り向く前にしなやかな筋肉の付いた逞しい腕に抱き締められた
ゼフの柔らかい金茶の髪にサラリと黒色の長髪が肩口で重なる
「夕方の散歩ぶりだな、ゼフ…」
「んッ……レグ、擽ったいよ〜!!」
耳元でモショモショ喋られて必要以上に片耳をピルピルと動かす
あ!!ちなみに僕たちとニンゲンの違いは、僕たちはやっぱり見た目がニンゲンっぽくなっても元々は動物だから獣の耳とシッポは残ったままなんだ……
でも"てれび"の中にいる"ナカマ"は昼間もニンゲンみたいになってるヒトもいるんだよ!!どうやったらなれるのか…"ナカマ"の中では"としでんせつ"になってるんだ〜!!
良く"めいど服"っていうのを着てるんだけど、着たら昼間でもなれるのかな??
「ゼフ〜?戻ってこ〜い!!……………………も、戻ってこないと…い…イタズラ…しちゃ、しちゃうぞ〜………?…てかシてぇ…」
「ん?レグ何か言った〜?」
ゼフがクリクリとした瞳で幾分か背の高いレグを見上げる
「いッ、いや!!何もッ?!!」
レグは綺麗に整った顔を真っ赤に染めてゼフから離れた
レグは僕と同じで、"どーべるまん"って言う種類なんだ♪
レグは何でも知ってて、僕に色々教えてくれるんだよ!!時々難しいコト言われたりして解らないコトもいっぱいあるけど、頼もしいトモダチなんだ♪