拍手御礼SS その2(その1は小話内の過去ログ保管庫にあります)
これは「きょうの猫村さん(※)」×「パンドラハーツ」なお話です。色々設定がミックスされていますが、深く考えずにお楽しみいただければ幸いです。
※「きょうの猫村さん」はネコの家政婦、猫村ねこが生き別れのぼっちゃんに会える日を夢見て、ぼっちゃんからもらったエプロンを身につけて二足歩行で健気に家政婦業に励むお話です。
ボクの名前は猫村ギルバート、14歳です。
ボクはどうやら普通の人間ではないみたいです。だって、頭の上には猫の耳、お尻には猫の尻尾がついているんです。
…こんなことは見ればわかりますよね。
でもボクは猫が嫌いなのに、どうしてこんなものがついているのでしょうか…神様のされることは時々よくわかりません。
あっ、そんなことよりも、仕事のお話をしましょう。
ボクはこの間まで、ベザリウス家の家政婦をしていました。
ですから、家政婦の仕事は炊事・洗濯・掃除を始め一通りできます。
ベザリウス家では、大好きなオズ坊ちゃんのお世話をできるのがとても幸せで―あ、オズ坊ちゃんというのはベザリウス家のご子息で、捨て猫だったボクを拾って可愛がってくれたとても優しく聡明な、それはそれは素晴らしい方なんです。
このnecoのロゴの入ったエプロンも、坊ちゃんからプレゼントされたものなんですよ。こんなボクに気を遣って下さるなんて、本当に優しいです。
ネコの綴りが間違っているのは、きっと坊ちゃんなりの洒落なんです。
でも、先日坊ちゃんはアヴィスという遠い国に行ってしまわれました。
そしてボクは、必要なくなったということでベザリウス家の家政婦を解雇されてしまいました。
ボクはアヴィスにいる坊ちゃんにもう一度会いたいんです!だからその旅費を貯めるためにも、この『ザークシーズ家政婦紹介所』で働かせてください!
と、紹介所の採用面接でボクはそんな風に自己紹介した。
ボクの目の前には白髪で赤い目の割烹着を着た、この家政婦紹介所の主ザークシーズさんがいる。
値踏みされるようにじろじろ見られて、否応なく緊張する。その視線がボクのエプロンの上で止まり、彼が口を開いた。
「ギルバート君、と言いましたカ。そのエプロン―」
「こ、このエプロンはマスターからいただいた大切な物です!ボクの誇りなんです!誰にも渡しませんよ!」
ボクはエプロンを守るように身を縮めた。だけど、そんなボクにザークシーズさんは呆れたように言った。
「君、身につけているのはソレだけですカ?うちで働くなら、ちゃんと服を着てもらわないと困ります」
うちは怪しい風俗店じゃないんですカラ、裸エプロンは論外デス、と付け加えて。
「―――っていう昔のギルの夢を見たんだけど、ブレイクとギルの出会いってこんな感じだったの?」
朝一番にオズからそんな話を聞かされて、オレは寝起きの頭痛が一層酷くなった気がした。
end
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拍手をいただき、ありがとうございますm(_ _)m
先日書店で「きょうの猫村さん」を見かけたときに、そういえば子ギルと猫村さんの境遇って似てるかもしれないと思って思いついたネタです。
猫村さんってネコですが、よく考えると裸エプロンです。危ないです(色々と)。
ちなみに猫村さん×パンドラハーツ世界のギルは猫耳・猫尻尾付きの普通(?)の子ギルです。オズ坊ちゃんが猫村ギルにエプロンをプレゼントしたのは、全裸の子ギルに耐えられなくて…といういきさつだったら良いと思います。
でも子ギル的にはネコが裸なのは当然なので、こんなボクにエプロンを下さるなんて、と感動したわけです。
あっ、石投げないでくだs…
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