☆矢文2
□恥じらいと行動
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夏の日差しが秋へと変わり始めた聖域。
白羊宮の一室ではアイオリアとシャカと新旧羊座の4人でお茶会が催されていた。
会話の中で、先日起こった事件をアイオリアが話始める。
それは何時ものように処女宮の訪れたアイオリアは、それ又いつものようにシャカの居る室内に入った時の事。
アイオリアがシャカの着替えを見てしまい、何故か五感を剥奪されてしまったと言う事に理不尽ではないかと言う事だった。
「いきなり五感剥奪されたんだぞ、おかしいと思わないか?」
「君が突然入ってくるのが悪いのだ」
アイオリアの苦情に、自分の意見を貫くシャカ。
そこで黙って聞いていたムウは一言助言をする。
「アイオリア、シャカは恥ずかしかったんですよ」
ムウ曰く、突然現われたアイオリアに驚いて、恥ずかしさで必殺技を咬ましたと。
「…シャカ、必殺技ではなく素直に言葉で伝えてくれ」
「フム、仕方がないな、君がどうしてもと言うのであればその様にしてみよう」
何だかんだで、シャカには頭の上がらないアイオリアである。
そんな二人のやり取りを大人しく見ていたシオンが、考え込むかのような仕草でぼそりと呟く。
「……恥じらい」
「シオン、あなたには無縁の言葉です」
黙って事の成り行きを見守っていたシオンの漏らした一言に、咄嗟に反応するムウ。
「ムウや、私とて恥じらいぐらいはある!」
「そうですか?普段から老師にすっぽんで襲い掛かっているので無いものだと思ってました」
ムウの反論に返す言葉を失うシオン、そんなシオンにシャカは質問をする。
「では、老師に裸を見られたら君はどのような反応を見せるのかね」
「それはこの様に…キャーっっ!!!!」
「なんで顔を隠すんですか!」
シオンがとった行動は、両手で顔を隠す行為、それに対して激しい突っ込みを入れるムウ。
「……こっちでは無いとなると、こっちか!!」
「何故脇を隠す!」
今度はアイオリアが突込む。
シオンが次にとった行動は、片手を上げてもう片方の手で脇を隠すというものだった。
シオンの可笑しな行動に、鬼のような形相でムウの怒りの突込みが入る。
「何故下半身丸出しでそんな隠さなくてもいいとこを隠すのですか!まず下の粗末なものを隠すのが先でしょう!!」
「私のは粗末では…」
「五月蝿い」
羊の漫才はまだまだ続きそうです。
【完】