☆矢文2
□冥土服は戦闘服
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白羊宮に現れたシオンに対して、無言で服を差し出すムウ。
それを広げて眺めた後、眉間に皺を寄せムウに視線を向ける。
「ムウや、これは女性物の服に見えるのだが私に着ろと?」
「ええ」
シオンの質問に、何の躊躇もなく即答するムウ。
そんなムウに声を荒げシオンは反論、もとい疑問をぶつける。
「何で私が女性物の服を着なければならんのだ!」
正論である。
だが、そんな事で怯むムウではない。
「この服は【冥土服】と言って東京の秋葉原なる所に住む住人は皆、このような戦闘服を身に纏っているとのことです」
「…男もか?」
「はい」
ムウ曰く、冥衣を纏ったりするぐらいなんだからこのような戦闘服も良いのでは?との事。
だが、膝上数○センチの超ミニスカを着るにはかなりの勇気が必要となる。
数時間後、シオンの姿は童虎の前にあった……勿論ムウが勧めた【冥土服】と言う名の戦闘服を着て。
恋人の姿に最初は驚いたものの、上から下まで眺めた後『可愛いのう』と呟く童虎に、褒められて素直に嬉しいシオン。
そこで詳細を告げるのだが、童虎は一言。
「お主、騙されてないか?」
その一言で、今日が何の日か思い出したシオンは真っ赤になり、小宇宙を飛ばしムウに抗議。
そんな師の言葉を軽くいなすムウ。
そんなやり取りを端で見ながら、童虎はただ笑うだけだった。
【完】