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□Hallo Ween
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今日はHalloweenと言うお祭りの日。
例に漏れず、今年もすっかり忘れていた俺に、妹達の悪戯は炸裂したのだった。
俺ばかり悪戯されるのも何か口惜しいので、恋人である雲雀に悪戯を仕掛けようと考えた。
雲雀はお菓子など持っていないと予測を付け、雲雀のアジトに向かった俺は襖を開けると叫ぶ。
「極限トリック・オア・トリートなのだ!!」
「ああ、ハロウィンだったっけ、今日」
俺の言葉を聞いた雲雀は、そう呟くと着物の袖から飴を取り出した。
「飴を持っておったか、これでは悪戯は出来んな」
悪戯をする気満々だった俺は、肩を落としつつも雲雀を正面から抱き締め、その肩に顔を寄せる。
残念そうに言う俺に対し、雲雀は笑いながら飴を自分の口に放り込む。
「雲雀、俺にくれるのではないのか?」
「自分で取りなよ」
雲雀は目を閉じ、口を突き出す仕草を見せる。
雲雀の誘いに乗り口付けると、甘い飴の味がし口の中に入ってきた。
【完】