文
□花火
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「了平、花火なんか買ったの?」
了平が机の上に置いたコンビニの袋の中には、花火が入っていた。
「クジを引いたら当たったのだ」
「ふーん」
雲雀は花火の入った袋を摘み、見ながら興味なさそうに答える。
了平はその姿を見て、笑いながら言う。
「暗くなったら二人でするか?」
他の人にはわからない雲雀の行動。
興味なさそうに答えながらも、触ったり見つめたりするのは気になっているらしいのだ。
雲雀と付き合いだしてから分かった事なのだが…。
「君がしたいなら付き合ってもいいよ」
「よし!では早く晩飯を喰うか!!」
雲雀は俺の言葉に、嬉しそうな表情を浮かべた。
「雲雀!」
呼ばれた雲雀が見たものは、【雲雀愛してる】と花火で空に書かれて、それを満足気に見ている了平だった。
「なっ…何恥ずかしい事してんだ、この馬鹿!!」
雲雀に思いっきり殴られながらも了平は、雲雀が嬉しそうに微笑んだのを見逃さなかった。
【完】