□了雲SS
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【旅行】

初めてこの連休に、二人旅行を計画し行くことにした僕達は、一両編成の列車に揺られながら、目的地に向かっている。
車窓から見える景色は、無限に広がる田畑と、綺麗な青空そして、水田を囲むように咲く真っ赤な彼岸花。
了平と二人切りでの旅行にドキドキし、昨晩は中々眠れなかった僕は、電車の心地よい揺れと閑かな風景、そして隣に感じる恋人の体温に睡魔を感じていた。
了平は窓から外を眺め、
「雲雀、田んぼがあるぞ!」
「そうだね。」
「あそこに花が咲いておるぞ!」
「うん。」
「山が綺麗だぞ!!」
「…。」
「犬が…」
「少しは黙れ!!この馬鹿!」
最初は了平の問い掛けに素直に答えていたが、余りのしつこさに加減なく殴り付けて黙らせた。
二人の旅はまだ始まったばかり。
【完】




二人きりの旅行に嬉しくて、寝不足気味な雲雀と、始めてみる景色に浮かれまくる了平。
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