□いつまでも一緒に。
1ページ/1ページ

 話を一言、二言交わしながら、二人で肩を並べての帰り道。
少しの沈黙の後、了平が手を握ってきた。
「ちょっと、何やってるの君、人前で!」
強い口調で手を振りほどいた。
了平は、少し照れながら、道路の反対側を指差す。
その先には、60才ぐらいとおぼしき、二人。多分長いこと連れ添った夫婦なのだろう、仲良く手を繋いで歩いている姿が見える。
「だから、何?」
「俺たちもあの二人みたいに、いつまでも一緒だぞ!」
了平の告白に僕の顔が真っ赤に染まる。
了平も真っ赤になりながら、また手を繋いでくる。
今度は振り解くことはせず、ぎゅっと握り返した。

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ