□浮気疑惑と報復
1ページ/1ページ


「芝生、何があったんだ」

会議中仕事の内容説明のたびに溜め息を吐きまくっていた了平に、会議終了と同時に獄寺は言葉を掛ける。
普段なら『話を聞け!』と悪態を吐くところだったのだが、こんな状態の時は雲雀が絡んでいる事が多い事を、長年の付き合いでわかってしまっているので早々に核心に触れる。

「確か、昨日はお二人とも休みでしたよね」

沢田綱吉こと10代目の問い掛けに、憔悴しきった了平は昨日起きたことを話はじめた。




珍しく二人で休みが重なった昨日の話。
外を見ると天気が良い、だったらどこかに行かないかと了平は雲雀をデートに誘った。
すると珍しくカラオケに行きたいと雲雀が言ってきたのだと言う。
雲雀のリクエストにしては珍しいと思ったものの、それ以上疑問に思わず二人でカラオケに行ったのだが……そこで怪談が。

「雲雀がな、俺の顔を無表情で見つめながら【天城越え】を歌ったんだ」

「はぁ?」

話を聞いていたその場に居た獄寺、沢田は見事にハモル。

「芝生、そんな歌ぐらいで…」

「エンドレス…」

「えっ?」

「ずっと同じ曲を歌い続けたのだ」

ここでも詳しい内容。
二人でカラオケに行ったのはいいが、雲雀はずっと同じ曲をエンドレス、しかもその間トイレにも行けずジュースも飲めず、ずっと雲雀に見つめられ続けたらしい。

「何したんだよ」

「スーツに付いた白粉で浮気を疑われた」

電車に乗っていたときに、スーツに白粉を付けられたことに気付かず帰宅した了平は、雲雀に怒られ浮気を疑われたのが数日前の話。
話し合いで誤解は解かれたはずだったのだが、そう思っていたのは了平だけであり、雲雀の中では現在進行形の事案だったらしい。

エンドレス【天城越え】の後、了平は土下座して平謝りしたらしく今度は無事解決したらしい。

【完】

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ