☆矢文.
□夜中のパパは漢だぜ
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アイオロスから遅れること数秒、天秤宮に着いたサガは誰も居ない事に気付く。
さっきからアイオロスに小宇宙で話しかけているのだが、当人からは一向に返事が無いのだ。
焦るサガにムウから小宇宙密告。
『アイオロスなら白羊宮に居ます、あっ老師も居ますよ』
ムウの言葉に急いで十二宮を掛け降りたサガの前で、アイオロスが老師に凄い秘訣を聞いているのを目の当たりにし、目眩を感じた。
「老師の秘訣を是非伝授して下さい!!」
「これといって無いんじゃがのう」
万更ではなさそうな老師は笑いながら答えている。
「お前はどうなのじゃ?」
逆に聞いてきた老師に、二人だけの恥ずかしい行為を赤裸々に話しだすアイオロス。
サガとの恥ずかしい夜の営みと言う痴態を思う存分話したアイオロスを見ながら童虎はボソリと呟く。
「ワシ等は若さだけしかないのじゃがのぅ」
老師の呟きを聞き逃すアイオロスではなく、真面目な表情で考えているみたいだ。
「…なるほど、若さ」
暫く考えていたアイオロスは立ち上がると、満面の笑みをサガに向け自信満々に叫ぶ。
「女神にお願いして14歳にしてもらうぞ!!」
立ち去ろうとするアイオロスにサガは何の躊躇いもなく技を放った……泣きながら。
夜の恥ずかしい痴態を老師に暴露され、更に未成年である女神にまで知られるのは、サガにとっては13年の闇(病み)歴史より辛い事なのである。
「老師…」
「ははは、分かっておるよ」
この事はぶり返さないで欲しいと、涙目で訴えるサガに老師は笑いながら了承する。
サガに【幻朧魔皇拳】を掛けられたアイオロスは、事の発端となる事案を忘れるのだが、そこはアイオロス!毎度同じように事をしでかしてサガに怒られるのだった。
毎回その火種を焚き付けるのはシオンだったりするのだが、サガはその事に気付いていない。
【完】