☆矢文.
□教皇交代真実の決定打
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「女神の首を獲りに来ました!の時、一目で分かりましたよ…ローブで顔を隠してましたが、後ろに居ましたから」
ムウの前に姿を見せた3人の、敵である真ん中の人の後ろには何故かアイオロスがひっついていた。
「俺達もびっくりしたんだぜ?、聖域についた瞬間アイオロスが出迎えてきたんだからな」
冥王の言いなりになった振りをして、女神に聖衣を渡す目的を実行する為、聖域に着いたかつての黄金聖闘士達は、サガに向かって一目散に走ってくるアイオロスと遭遇したのだった。
「ジジイ、サガに『肩が重いとか辛いとかないのか?』って心配してたぜ」
「そう、あの時のアイオロスを例えるなら大型犬」
「尻尾を千切れんばかりに振ってましたね」
十二宮突破のあらすじ。
白羊宮のムウに、
「サガ……ローブを取らなくても分かりますから」
と言われ。
金牛宮ではアルデバランに見てみぬふりをされ
双児宮では、兄のサガに変わり守護していたカノンを見たアイオロスが、驚いた顔をして二人を見比べていて、それに対して
「驚いている所悪いが、俺は双子の弟のカノンだ」
「別に驚いてはいないが…」
「否、お前ではなくそこの射手座…って見えてないのか!!??」
と言うやりとりが行われた。
獅子宮では、冥衣を纏った敵に何故かアイオロスがひっついているのを見たアイオリアが、動揺を隠せず巨大ミミズに足止めを食らうという災難に見舞われたのだった。
「そうそう、処女宮でシャカが死んだとき、アイオリア大泣きしてましたよね」
ムウがいきなり話の矛先を変えてきた。
「泣くのはかまわないのだが、処女宮を破壊するのは如何なものかな」
ため息混じりにシャカが言う。
「…ちょっと待て、ムウが話したのか?」
「私は話してませんよ」
ムウはこれ心外とばかりに応えるその横で、シャカは悪ぶれず言う。
「私は全部見ていたからな」
シャカは亡くなってからのち、建物の隙間から事の成り行きを見守っていたらしい。
しかも、アイオリアが自分の為に涙を流し尚且つサガに手を揚げ、アイオロスの射手座の槍を向けられた時
「いくら兄さんでも、俺の怒りは止められん!!」
と言い放ち、立ち向かった雄姿にシャカはときめいたらしい。
「シャカ全て忘れてくれ」
顔を真っ赤にしたアイオリアは、恥ずかしさで逃げ出したい気持ち一杯らしい。
「アイオロス何だかんだで、強えーんだよな」
「そうですね、ミロが処女宮でサガ達にスカーレットニードルを放った時、本気でアイオロスにも打ち込んだらしいですよ」皆を一目してムウは、結論をはっきり言い放つ。
「全て完璧に交わされたらしいですよ」
何だかんだといっても、次期教皇である。
「取り敢えずアイオロスのストーカー行為は、サガには内緒にしておきましょう」
ムウの言葉に皆頷く。
普段は、内向的後ろ向きな考え方しかできないサガなのだが、アイオロスのことに関しては、前向きにしかとらないので、周りがアイオロスのストーカー行為を暴露した所で返ってくる答えは一つ。
「アイオロスは死んでも私を護ってくれていたのだな」
と、泣きながら美談にされてしまうからである。
こうして、アイオロスの聖戦における一連のストーカー行為は黙認されたのであった。
【完】