☆矢文.
□教皇交代真実の決定打
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此処は白羊宮。
何故かデスマスク、アフロディーテ、シュラ、アイオリア、シャカが揃いも揃ってお茶をしている。
「わざわざここに来なくても、アフロディーテの所でもお茶出来るでしょう」
ムウは文句を言いながらも、空になった茶器にお茶を注いでいる。
「いいじゃねえか、たまたまだよ、たまたま」
盛り上がる話の中で、アフロディーテがムウに聞いた。
「ムウはサガが偽物教皇だって、どうして気付いたの」
「そんなのジジイの小宇宙が消えたからだろ」
デスマスクの答えに首を傾げたムウは暫く考えたのち答える。
「それもありますが、決定打は別にあります」
あれは十三年前、シオンの小宇宙が消えた直後のこと。
教皇に呼ばれ、シャカと二人ムウは真実を知るためと教皇の間に向かったのだが、その先に待ち受けていた衝撃。
「アイオロスが居たんです」
「はあ?」
ムウの言葉にみんなの声がハモル。
偽教皇の正体を知った理由を聞いていたのに、ムウの口からは予想外の答えが出てきたからだ。
「教皇に呼ばれた理由は、アイオロスの裏切りの説明でしたから、そこにアイオロスがいるのはおかしいのですが」
「……えーっと、それが決定打?」
アフロディーテは、わからずに聞く。
「何言ってるのですか?サガが好きでたまらないあの男の事、サガから一時でも離れるわけがないじゃないですか!!」
ムウの告白に、その場にいた全員が納得する。
何故ならアイオロスがサガの事を大好きなのは知っていたから。
溜め息をつきながらムウは爆弾発言。
「10分ぐらいの説明だったのですがね、その間サガの後ろから法衣の隙間から手を突っ込んだり、キスしたりやりたい放題してましたから」
黄金聖闘士として、兄として尊敬しているが、サガに関してはちょっとおかしいのでは?と復活してから気付き始めたアイオリアは、皆から目を背ける。
「サガはまったく分かってなかったみたいだが、あの方は見えなくても、気配で分かってたみたいだったな」
「そうそう、よく『射手座の気配が!!』って叫んでたからね」
「俺達には姿が見えてたから不憫で…」
年中組は当時を振り返る。