☆矢文.

□Happy Halloween!
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【罠】(童シオ)

「ハロウィン?」

白羊宮で暇をしていたシオンに、青銅四人(一輝は放浪中)がハロウィンをしたいと、許可を貰いにやってきた。
「そうだぜ、この十二宮を駆け上がって黄金達からお菓子を貰うんだ!!」

アテナには許可を貰ったと、楽しそうに語る星矢を見ながらシオンは言う。

「アテナが許可を出したのなら、私に許可を取らなくても良いのではないか」

最もな意見に対して星矢は
「沙織さんが『私は賛成ですが、この聖域を束ねる教皇であるシオンに一応許可を取ってくださいね』って」
「なるほど」

グラード財団を束ねるトップは違うらしい。
女神の許可が降りているのなら反対する道理はない、シオンは暫く何かを考えていたようだが、星矢達にイベントを許可した。

「わかった許可しよう…だが、教皇としてお前達に命ずる、やるならとことんやれ!」

とことん?シオンの爆弾発言に戸惑う四人。

「えーっ…どういう」

「つまり、お菓子を貰うなら一つ残らず奪うのだ!!」
シオンは机を叩き椅子から立ち上がると、星矢達に言い放つ。

「全部!?」

星矢達は話しの意味がわからない様子なのだが、それに構わず不敵な笑みを浮かべながらシオンは言葉を続ける。

「全ての黄金聖闘士からお菓子を根こそぎ奪うのだ、特に童虎からだ!」

シオンの最後の言葉に真相を見た星矢を除く三人は納得する。
要は、青銅聖闘士にお菓子を全て奪わせといて、後から天秤宮に押し掛け老師に悪戯を仕掛ける、といった思惑らしい。

「シオン、程々にお願いします」

紫龍は老師の事が心配らしい。
気付いていない星矢は、シオンの許可に喜び

「よし!Halloween十二宮制覇だぜ!!」

と叫びながら白羊宮を出ていった。


シオンと青銅四人のやり取りを影から見ていたムウは、ため息を吐き、呆れ顔で呟く。
「老師を虐めて遊ぶのはどうかと思いますが?」

「ふん、全部童虎が悪いのだ」

普段から余り構ってもらえない事を不満に思っていたシオンは、これを利用して童虎に日頃の鬱憤晴らそうと企んだのだ。

「はいはい、老師に嫌われないように頑張ってくださいね。ああ、それと十二宮の最初はこの宮ですのでお忘れなく」

「だからどうだというのだ?」

確かに白羊宮は最初の宮なのは判っている、シオンはムウの言いたいことが判らず尋ねると、ムウは楽しそうに答える。

「星矢達が来た時お菓子を持っていないと、老師に悪戯される前にあなたが悪戯をされると言う事です。
まだ時間もありますし今から街に出てみたら如何ですか」

「なるほど、ムウ一緒に行かぬか?」

「私はアイオロスに用事がありますので」

ムウはシオンの誘いを断わると、教皇宮へと上がっていった。



日が沈み、仮装した青銅達+貴鬼が白羊宮へとやってきた。

「トリック・オア・トリート!!お菓子をくれなきゃ悪戯しちゃうぜ」

「狼狽えるな小僧共!!」

そう叫びながら沢山のお菓子を渡すシオン。
何だかんだで楽しそうである。

「次は金牛宮だ!」

お菓子を貰い満足の青銅達は、次の宮に向かい走り始める。

「小僧共忘れるな、全部だぞ、全部!!」
その後ろ姿に向かいシオンは忠告を忘れなかった。



【続く】
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