☆矢文.

□病気と看病
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【おたふく風邪】(ロスサガ編)


デスマスクとアフロディーテが教皇宮の一室にある執務室に行くと、サガが1人で仕事をしていた。

「珍しいな、一人か?」
デスマスクの問いに、サガは書類から目を外し答える。
「アイオロスは寝込んでいる」
サガの言葉にアフロディーテとデスマスクは互いの顔を見、不思議そうな表情を浮かべる。
何故ならアイオロスは真冬でも半袖、もしくは半裸といった出で立ちで健康そのもの、過去を思い返しても病気をしていたという覚えがない人なのだ。

「おたふく風邪らしいのだ、うつるから人馬宮には近づかないほうがいい」
「ふーん、でアイオロスは大丈夫なのか?」
「熱は高く、顔は腫れてるが大丈夫だ」
デスマスクの問いにサガは答えるが、デスマスクの心配事は其処ではない。

「否、そうじゃなくて下の話。」
「下の話?」
話の意味がわからないサガは頭のうえ一杯にクエスチョンマークが乗っている。
溜め息を付きながら、デスマスクは話す。

「高熱が続くと精子が死ぬって話。アイオロスが不能にならないか心配だろ?」

最初はデスマスクの説明を大人しく聞いていたサガだったが、話が終わる頃には真っ青な表情になり、無言で立ち上がると、ふらふらと部屋を出ていった。
「蟹、あまりサガをからかうものではないぞ」
「俺は嘘はいってないぜ」
執務室に残された二人は、これから起こる事をわかっているのだった。


途中、宝瓶宮に立ち寄り、真っ青な顔でカミュに『力を貸してくれ』とだけ言うと二人で人馬宮にやってきた。
人馬宮のプライベートルームの扉を開くと、サガは叫ぶ。

「アイオロス、子種は無事か!!」
と。
状況の飲み込めないカミュはサガを見つめたまま動けなくなっていたが、そんなカミュに向かってサガは無理難題を言い放つ。
「カミュ、君の凍気でアイオロスの熱を下げてくれ」

いきなりアイオロスの布団を剥がすと、ズボンに手を掛ける。
「サガ!やばいってカミュの前で…!!」
サガの行動で何となく話が見えてきたカミュは、冷静に返す。
「アイオロスの下を冷やしても無理ですよ。と言うよりもそんなところを触るのはお断わりします」

振り向いたサガの悲しそうな顔を見て、カミュは
「幾つか氷を作っておきますので、サガが看病をしてあげてください。アイオロスもその方が嬉しいでしょうし」

と言うとカミュはキッチンに向かった。

その後、アイオロスが全開するまでサガは看病を続けたらしい。

【完】
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