☆矢文.

□保健体育のススメ
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サガに殴られ、渋々服を着たアイオロスは事の顛末を話した。

「だから私は、一肌脱いだのだよ」

『一肌の意味が違う』とその場に居た全員が思ったのだが、アイオロスに何を言っても無駄な事を分かっているので皆、口には出さない。
要は、言葉での説明より実際に身を持って体験したほうがわかりやすい、ということだったらしい。
子供に聞かせるには、まだ早い内容に、ムウは貴鬼を処女宮に帰しておいて正解だったと胸を撫で下ろす。


「私がロスを13年前に殺さなければ…」

話をおとなしく聞いていたサガが顔を押さえながら絞りだすように言った。
「まともに成長していたらこんな風には…私が悪いのだ!」

「サガそれは違うぞ。」
シャカがサガに向かいはっきりきっぱり言い放つ。
「日本の諺に『三つ子の魂百まで』と言うものがある。13年前に死んでいなくとも性格に変わりは無い。否、むしろ13年の空白期間が在ったからこそ、この程度で済んでいるのだ」
「そうなのか?」
「そうだ」
シャカの説明にサガは納得したらしい。
とはいえ、根本的に解決したとは言えないのだが…
続け様にシャカがアイオロスに対し疑問を投げ掛ける。
「アイオリアは男なのだから、掘られるのではなく、掘るほうなのではないのか」
シャカの言葉に固まるアイオロス。そしてブツブツと何かを呟きはじめた。
「そうか…リアに、」
ろくでもない事をしでかしそうな雰囲気に三人は息を呑む。
「よし分かった!可愛い弟の為、私の後ろを!」
言い終わるより先に立ち上がったアイオロスを、咄嗟にサガが捕まえ涙目で訴える。
「ロス、リアには私から説明するから、君は仕事に戻っていてくれ」
これ以上アイオロスの行動に、ムウとシャカを巻き込むのは悪い、しかもアイオロスがアイオリアに抱かれるという想像を絶する現実を回避しようと考えたサガは、自分が何とかしようと考えたのだった。
「駄目だ!」
アイオロスは目を見開き、怒りながら叫ぶ。
「可愛い弟とはいえ、サガの穴に突っ込ませるわけにはいかない」
「あ…な」
見る見る内に真っ赤になっていくサガ。
「貴様と一緒にするな!!私はそのような変態行為はしない!」

変態行為と罵られたアイオロスは足取りも重く獅子宮を後にした。
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