☆矢文.
□アイオロスいけない課外授業 スク水編
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「サガ、私この夏頑張ったんだからご褒美が欲しいな」
デスマスクと入れ替わりにサガが執務室に現れたのだが、顔を見るなりアイオロスは我儘を言った。
「確かに君は頑張っているが、明後日には休みだろう?」
「だから!」
明後日には珍しく二人して休みなのだ。
サガはアイオロスが何処か行きたい場所があるのだと悟り、何処に行きたいのか聞いたらアイオロスは笑顔で答える。
「海に行きたい!」
残暑が厳しく暑い日が続いてはいるが、海に行くには些か遅い気がする、だが恋人であるアイオロスのお願いなのだサガが断る事もなく承諾された。
「じゃあサガこれを着てね」
此処で差し出されたのは、先程迄執務室に居たデスマスクが持ってきた【スクール水着】普段なら素直に受け取るサガなのだが、今日に至っては眉間に皺を寄せアイオロスに疑問をぶつける。
「アイオロス、前々から聞いてみたかったのだが私の性別を分かっているのか?」
「男」
「なら良いのだ、ならどうして君はいつも私に女性用の服を着せたがるのだ?」
どうやらサガは、この物の正体を知っているみたいだった。
ここで詳細。
デスマスクが13年のブランクを持つアイオロスに、不要な知識ばかりを教えている事を知ったアフロディーテは、防衛の為と13年間教皇宮の奥で引きこもっていたサガに、色々教えていたのだ……勿論【スクール水着】も。
「男物って暗い色が多いから…」
アイオロス曰く、女性用はカラフルな色の物が多いから、綺麗なサガには似合うと思うとの事だった。
アイオロスに綺麗だからと言われて頬を染めるサガだったが、何か思い立ち質問ををする。
「ロス、この【スクール水着】もそうだが、前のスーツも色は紺だったよな?」
「サンタさんは赤だったぞ!!」
「……いいから質問に答えろ」
事前に色々教わり、サガが冷静に対応した事でアフロディーテの作戦勝ち、どうやら今回のいけない課外授業は不発に終わりそうな予感です。
【完】
※補足
スクール水着の胸部分には【3-3 サガ】と書かれた白い布が縫い付けてあると思われます……デスマスクの手縫い。