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□catch!!
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 路地裏を覗くとやっぱりそこには臨也がいた。あっちも俺の存在に気付いたらしく、手を振ってくる。本当にこいつは俺を怒らせる天才だ。



「いーざーやーくーん?」
「やぁシズちゃん。ご機嫌麗しゅう」



 こいつは麗しいの意味を知ってるのだろうか。つか、麗しいわけあるか!
 苛つきのままに、憎たらしい面を殴ろうと拳を振りかぶって……









「あれ、シズちゃん? 殴らないの?」









 ぴたり。臨也の鼻先で止まった。



 不思議なことに身体がいうことを聞かない。この笑顔を叩き潰してやりたいのに。



 臨也は楽しそうな面持ちのまま、俺の頬に手を伸ばした。その体温は思っていたより温かく人間然としている。



「殴れないの?」
「――っ、」
「あぁ、そうか。だって、」



 すぐに払える筈の温もりは、けれどそこにあるまま。










「…………俺のこと、好きだもんね。」










2010/03/11 up
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