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□catch!!
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「……ホント、可笑しいよねぇ」
そんな数日前の会話を思い出し、笑いを噛み殺す。どうしてシズちゃんはあんなに馬鹿なんだろう。傍にいて飽きない。
高校でも散々喧嘩していた。ただでさえ大人になっても交流している例は稀だというのに、これはどのくらいの確率かな?
まぁ、決して彼が好きな訳でなく(そう愛してるなんてことじゃなく)利用する為なんだけど、ね。
怪しまれない程度の笑みを浮かべながら携帯を開き、スケジュールをチェックする。珍しく今日は何も入っていない。せっかくだからシズちゃんでも構いに行こうか。
「そうしよう」
ああ、痛いからゴミ箱には当たらないように注意しなきゃな。
どうせ会ったら即喧嘩だろう、しかし何故か心は軽い。歩くのもも速くなっていく。
――俺は人間の行動を大体予測出来る。
たまに外れることもあるけど、やっぱり人間が好きだ。
でも、あいつだけは例外だ。本当に人間なのかと疑うこともある。
だからシズちゃんの行動が当てられるようになるまで、吐き気がするけど傍にいようと決めた。それは約一年前の決意。なのに、ちっとも予想通りに動かない。
「不愉快だよ」
恋人になったのも、その目標を達成する為。「愛してる」とか「大好き」というのは全部嘘だ。あっちが本気なんてありえないし。
とっとと平和島静雄を俺の好き勝手に操って、一刻も早く関係を解消するんだ。
2010/02/11 up