2
□幻想セカイ
1ページ/1ページ
―幻想セカイ―
(静臨ss 死ネタ side静雄)
いつかこうなることなんて分かっていた。人間はいつか死ぬもので、いくら俺でも例外じゃないわけで。
けど、こいつに死ぬ瞬間を見られるというのは癪だ。
「死はいつかやって来るものなんだよ」
ひどく純粋で憎ったらしい笑顔が目の前にある。ああ憎い。とても嬉しそうで、ぶん殴ってやりたい。身体が動かないのが恨めしい。
――でもどうしてだろう。俺は幻を見ているのか?
(その眸に、涙が見えるなんて)
「やっと死んでくれるんだね? 嬉しいよ。とっとと逝けよ、ウザイから」
ウザイウザイとそればかり。こいつのボキャブラリーの貧相さが垣間見える。
もしかしたら元々のものではなくて、俺が死ぬかもしれないからかも。動揺という奴だ。けれど、臨也に限って。
(……まさかな)
考え過ぎだ。
「ねぇ、せっかく俺が死ねるように手配したんだから、有難く思いなよ。聞いてる?」
何様だお前は。こっちが殺してやりたい。
睨むと、肩がびくんと震えて臨也はくるりと後ろを向いてしまった。俺は只コンクリートが染みに侵食されていくのを眺める。雨は、降っていない。
「ばーかばーか」
嗚呼、段々嫌いなその声も聞こえなくなってきた。
「……ねぇ」
ああはいはい聞こえない。つーかもういい。どうせ罵詈雑言だろ。
そう思い、瞼を閉じる。
すると臨也は俺が死んだと思ったらしく、小さく微笑みを浮かべた。
まだ生きてるぞ、と声を掛けようとしたら雫が落ちてきて、閉口してしまう。
「――だいすき」
その嘘に、思わず笑ってしまった。
(嗚呼、でもホントは、分かってるんだ、)
fin.
―
区切り悪ッΣ( ̄□ ̄;)
つか静雄は絶対死なないよ(笑)
ホントにssは未知の世界です…。
そして臨也が泣く訳ねぇだろ馬鹿。
今週はやたら悩んで悩んでssを書いてました。七日間かけてこれか(´Д`)
やっぱり私はぎちぎちに文字を詰めたいです。
でもssも楽しいです。只後で見て自己嫌悪に陥りますが。
ハハハ勉強しろ私☆
2010/01/30 AM00:47
翠鈴