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□ちゃんす!
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―ちゃんす!―
(静臨ss side静雄)



「ちゃーんす!」



 と言いたくなるほどに今、俺の前には素晴らしい好機が転がっていた。



 いつもなら直ぐに喧嘩を始め、器物破壊だの何だのをやらかすけれど今回ばかりはそうはいかない。



「……シズちゃんはきっと、病人に手を出すような悪い子じゃないよね」



 今目の前にいる臨也は息が荒く顔色が悪い。それでもナイフを構えているのはあいつも俺を嫌っているからだろう。
 というか、あいつでも風邪なんて引くことがあるのか。驚きだ。
 側にある交通標識を投げてやろうかと思案したが、とっ払う。本気で喧嘩するからこそ嫌いでいれるのに、こうだとやりにくくて仕様がない。



「どうしたの、はやくしなよ」
「お前馬鹿だろ、モロバレだ」
「は? 馬鹿はシズちゃん、でしょ」



 ああもうなんでそこで笑う。息絶え絶えになりながらも全力で嫌悪の笑顔を浮かべるなんてやっぱり馬鹿だ。



 かといって家に招くなんて行為はしない。なら、しょうがない。あいつの送りぐらいはしてやろう。



「送ってやるからとっとと帰れ」
「わーお、シズちゃんやっさしーぃ」
「……ふらついてるぞ」



 指摘すると、臨也はぴたりと動きを止めた。アホ。
 俺は溜め息をついて、無理矢理太股の下と背中に腕を通して臨也を抱き上げた。所謂「お姫様抱っこ」だ。
 腕の中の糞馬鹿が「へんたーい」と抗議するが無視する。俺はとっとと帰って手を洗いたいんだ。移ったらどうしてくれる。



 顔出しは危険かと考えてフードを被せると、臨也は只フードの端を掴んだだけで何も反応しなかった。





「お粥つくってよ」
「つくるか馬鹿」







(ナイフが消えて、より深く感じるものは温もりだろうか)







fin.









THE一発書きぃ←
懲りようね、私。


まぁ少しは加筆修正しましたが一発書きに等しいです(笑)


一発書きでも神な方っていますよね。羨ましい(´ω`)


2010/01/30 AM00:52
翠鈴

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