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□Promised Land
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 いつか必ず、約束の地へ。





―Promised Land―
(ライバル+♂主人公 sideライバル)








 ポケモンリーグ。そこはポケモントレーナーが目指す最高峰。
 彼らを倒せば、その人間は「最強」と語り継がれる――……。



「なー、お前もそのくらい知ってるだろー?」
「……それが何だ」



 何時もどおり、ワカバタウンで。草むらでチコリータを鍛えていたら、憎たらしい奴に捕まってしまった。



 空に広がる碧のように笑っているヒビキは、いつも通り馴れ馴れしくてうざったい。
 腕にいるチコリータは、さっきまでくたくたに疲れていたのにもう元気だ。



 いきなり話しかけてきて、何がしたいんだ?





 ――すると、唐突に小指が差し出された。





は? と呆気にとられていると、手を引っ張られる。



「おい、指切りくらい知ってるだろ」
「何でその指切りをする必要がある」
「そりゃあもちろん」



 ヒビキの肩に乗っているヒノアラシが北東の方向を示す。つられてそっちを向くけれど、何もない。
 何なんだよ、と言おうとして俺は口を閉ざした。








 北東には、セキエイ高原がある。








「俺たち、まだまだひよっこだけどさ、あそこ行こうぜ」
「俺までひよっこ扱いするんじゃねぇ」



 確かにまだレベルは低いかもしれないけど、同じ扱いをされるのはごめんだ。










 ――でも、掴まれた拳を払えない。





 俺の抱いてる夢を当てられて、動けずにいるんだ。





「……そいつだって、きっと行きたいって思ってるさ。
難しいかもしれないけどさ、諦めないならきっと辿り着ける」





 普段のおどけた瞳は消えて、まるで強いトレーナーのような光が宿って。
 足元のチコリータは、頷いたように映る。










 ……俺は顔を背けてから、小指をそれに絡めた。










 喜んだ気配がしたから、慌てて弁解をする。



「べ、別に違うからなっ」
「へっへー指切りげんまんだかんな!」



 ヒノアラシとチコリータがにこにこ笑い合っている。目の前の馬鹿も微笑んでいて、幸せそうだ。















 ――いつか。






 俺もお前も強くなれるのか?
 お前は、こんな俺と約束して、何を手に入れたんだ?






「……あぁ畜生、分かんない」





 また、旅の目標が1つ増えちまっただろう、迷惑だ。





 お前を倒すことと、最強のトレーナーになることと。




















 ――お前と一緒に、セキエイ高原へ行くことが。




















We will find the Promised Land.





fin.









ついにやっちまったー。

HGSSのライバル小説です!

最後の英文の直訳は、僕らはきっと約束の地を見つける、です。

玉置成実のPromised Landからもってきた部分もちょいちょいあったりしました。

これからちょこっとライバル話もうp出来たらいいなぁ。

ではでは。


2009/12/12 PM04:12
翠鈴

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