お話(未完成)
□優しい獣人
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よく晴れた朝
「アスラン、ご飯まだですの?」
「アス兄、この問題、解いておいて!」
「お兄ちゃん!雑巾縫っといてって言ったでしょ!」
飛び交う怒号。
そんな中、レースのブラジャーやパンティーに動じることなく、彼は淡々と洗濯物を干す。
「あ、ヤバい…」
洗濯物を回すとき、どうやら一つネットに入れ忘れたようだ。
「よりによってラクスの…」
確か外国製で高いから!と念を圧されていたのに…
見つかる前に何とかしなくては…
彼は思わずソレをポケットに詰め込むと、バタバタと家の中へと戻っていった。
「ほら、ご飯!」
リビングにいる野獣…ではなくお姫様がたに食事の準備をしながら、妹たちのお弁当を詰め始める。
「ええ!また卵焼き甘いの?」
「昨日はルナだったんだから今日はメイリンだ!」
「あ、お兄ちゃん!私…」
「好き嫌いしない!」
有無を言わせずにシャケを詰める。
なんで毎朝、こんな目に…
ぶつぶつと文句を言いながらアスランは朝の支度で大忙しだ。
「ラクス!朝のゴミくらい自分で出して下さい!」
呑気にみそ汁をすする姉に言うと
「あらあら、時間がありませんわ!」
ゆっくりと椅子から立ち上がる姉のラクス。
「社会人は大変ですのよ、アスラン?」
今年から社会人になったラクスは優雅に洗面所へと消えていった。
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