お話(未完成)

□優しい獣人
2ページ/55ページ




よく晴れた朝

「アスラン、ご飯まだですの?」

「アス兄、この問題、解いておいて!」

「お兄ちゃん!雑巾縫っといてって言ったでしょ!」

飛び交う怒号。

そんな中、レースのブラジャーやパンティーに動じることなく、彼は淡々と洗濯物を干す。

「あ、ヤバい…」

洗濯物を回すとき、どうやら一つネットに入れ忘れたようだ。

「よりによってラクスの…」

確か外国製で高いから!と念を圧されていたのに…

見つかる前に何とかしなくては…

彼は思わずソレをポケットに詰め込むと、バタバタと家の中へと戻っていった。


「ほら、ご飯!」

リビングにいる野獣…ではなくお姫様がたに食事の準備をしながら、妹たちのお弁当を詰め始める。

「ええ!また卵焼き甘いの?」

「昨日はルナだったんだから今日はメイリンだ!」

「あ、お兄ちゃん!私…」

「好き嫌いしない!」

有無を言わせずにシャケを詰める。

なんで毎朝、こんな目に…

ぶつぶつと文句を言いながらアスランは朝の支度で大忙しだ。

「ラクス!朝のゴミくらい自分で出して下さい!」

呑気にみそ汁をすする姉に言うと

「あらあら、時間がありませんわ!」

ゆっくりと椅子から立ち上がる姉のラクス。

「社会人は大変ですのよ、アスラン?」

今年から社会人になったラクスは優雅に洗面所へと消えていった。




次へ
前へ  

[戻る]
[TOPへ]

[しおり]






カスタマイズ