お話(未完成)
□ワタシのミカタ
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別に貢いでいるわけではない…と思う。
キラが書類を片手に出ていくと、アスランは自分のデスクの上でため息をついた。
「…ボランティアみたいなもんだと思うんだが…」
視線の先には一人の女の子の履歴書。
カガリ・ユラ・アスハ
住所の欄には不定と書かれていたが、最近、安定した住所が決まったのだ。
「…何やってるんだ!」
アスランの朝は早い。
社長であるが、その前に新米であるから一番に出社しなければと父から言われてきた。
まだ日が登る前に彼はやってくる。
「う〜ん、おはよ…」
会社の通用口の横になにやら動く物体。
浮浪者かと近づけば、それは段ボールを風よけにして眠るカガリの姿。
「か、カガリ…」
変わった女の子のイメージだったが、それを見たときは相当変わった女の子になっていた。
「ん…アパートが…」
「アパート?この前、家賃を払ったばかりだろう?」
両親のいない彼女にとって、毎月の生活は厳しい。
この前、アスランの所でのバイト代を前借りさせて家賃を払ったと言うのに…
「取り壊しにあった。」
「はぁぁ?」
カガリが言うには、アパートの大家は一人暮らしのおばあさん。
老朽化の激しいアパートを壊したて他人に売りたい息子をなんとか宥めすかしてきたのだが
「とうとう強行手段に出やがってさ。」
昨夜、帰ってきてみると、自分の荷物は全部出されてアパートがなくなっていた。
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