お話(未完成)
□ミカタのミカタ
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「ちょっと!邪魔しないでよ!せっかくのお客様が逃げちゃうでしょ!?」
向こう側でコソコソと話をしているようだが、こっちには丸聞こえだ。
「しょうがないだろ?ここ遠すぎなんだよ!」
「だって、ここしかなかったんだもん!」
「じゃあ、家出なんかするなよ!」
「なんですって〜」
ガタガタと音がする。
ミリアリアは、はぁ…とため息を漏らした。
「あの…すみません!」
向こうを待っているとラチがあかない。ミリアリアは立ち上がると声をかけた。
「私、帰ります。」
「ええっ!?」
ピンクの髪と金髪の髪の女性は、お互いの腕をつかみ合ったまま、ミリアリアに詰め寄る。
「ちょっと困るわ!帰られたら!」
「ご、ごめん!頼むから帰らないで!」
必死の形相で頼み込まれてミリアリアは苦笑した。
「悪いけど、もういいわ。たぶん私が悪かったのよ。だから大丈夫。」
胸の傷はまだ疼くけど、時間が経てば大丈夫だろう…そうミリアリアは自分にいいきかせた。
「なにがだよ?」
その言葉に金髪の女性が反応した。
「何があったか知らないけど、あんたは何もしてないんだろ?じゃあ、悪くない!!あんたは絶対に悪くない!」
琥珀色の瞳が強い輝きを持って断言する。
「そ、そうよ!私たちで話を聞くから、帰るのはその後でいいじゃない!」
ピンクの長い髪を揺らしてこちらも断言した。
「でも…」
「さ、座って!カガリ、お茶よろしくね!」
「とびっきりおいしいコーヒーを入れてやるからな」
笑顔の二人に、ミリアリアは半ば強引にソファーへと戻された。
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