お話(未完成)

□ウチニカエロウ
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だんだん朝の涼しさが遠のく毎日。

「よし!今日も頑張るぞ」
カガリは勢いよくカーテンを開けた。外は朝にもかかわらず、もう蒸し暑かった。
そんなことには気にもとめず、カガリは素早く身支度を整えて玄関から外に飛び出した。
大学をでて現在の会社に入社して4年、カガリは今の生活に満足していた。

「コンビニ、コンビニ…」
朝食はだいたいコンビニですませてしまう。
行き慣れたコンビニに入ろうとすると、

「なんだ?酔っ払い?」

入り口の近くに座り込んで俯いている男性。カガリより若い…学生にも見える。
「いいよなぁ若いって…」
27歳にもなるとオールで夜遊びもつらい。翌日の仕事にも響く。
カガリはコンビニに入ると素早く朝食と昼食を購入する。
「よっ」
コンビニの外で栄養ドリンクを一気に飲み、空きカン入れに勢いよく投げこんだ。
その時、店の外で座り込んでいた男性と目が合う。
「………」

少し長めの藍色の髪から覗く翡翠色の目。
カガリは一瞬、すべての時間が止まる感覚を覚えた。
ふっと先に彼は目線を外した。
カガリは、はっとすると慌てて腕時計を見た。
「ヤバいっ」

もうすぐ電車が出る時間。カガリは慌ててその場を立ち去った。

「あいつ…猫みたいだな」
そうぽつりともらしながら…。
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