お話(完結)

□絶対距離感〜アスラン〜
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なんで?

朝からアスランは首を傾げずにはいられなかった。

「ちがうの?」

親友のキラが面白そうに覗きこんでくる。

「朝からみんな言ってるよ?アスランとアスハさんが昨日付き合いだして…


もう別れたって…」

確かに昨日、告白されて付き合いだした。
帰りにちょっと?口ゲンカみたいなこともした。

だからって…

「何でそうなるんだ…」

はぁと息を吐きながら机に突っ伏する。

「それからもう一つ。」

「なんだ、まだあるのか?」

まだ朝のホームルームも終わっていないと言うのに疲れた表情のアスランに、キラは追い打ちをかける。

「僕、オーブ駅なんだよね。」

「ああ、知ってる。」

カガリと駅が一緒だと以前自慢そうに教えてくれた。
しかも何度か話をしてて挨拶くらいはする仲だとか....

ふん、そんな関係なんて気にしない!
だって、俺は彼女と....

「昨日、一緒の電車だったんだよね。」

「え?」

「彼女、泣いてたよ。」

それは思いもかけない一言だった。

昨日の帰り、口論になったとき彼女は思いっきりアスランを睨みつけた。

気が強い…

遠くから見つめるだけではわからなかった彼女の内面。
別に彼女に理想像を押し付けたわけではないし、幻滅したわけでもない。
自分の好みのタイプとかには無頓着だと自覚はある。

泣く…
カガリが…

今まで笑っているところしか見たことがないアスラン。

「…ちょっと、行ってくる」

落ち着いた足どりで教室をでたが、廊下に出たとたんに体育の授業以上の速さで走っていった。



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