お話(未完成)

□ワタシのミカタ
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アスランの帰る家は二つある。
会社から車で一時間半かかる実家。
もう一つは、会社から歩いて5分のところにあるマンション。
だが、今のところ二つの家には帰っていない。


《ワタシのミカタ》


「…知らなかったよ、アスラン。」

そう言うとキラは盛大にため息をついた。

「…ほっといてくれ。」

キラのこのような態度は想定内だ。
アスランは何事もなかった顔をして書類に目を通していた。

「君…自覚あるの?」

「なんのだ?」

彼にうるさく言われる出来事など何もない。
清廉潔白なのだから、堂々としていればいいのだが…

「そこ、間違ってるよ!」

書類を覗き込んだキラが指差した。
アスランは慌て書き直す。その様子にキラは改めてため息をついた。

「やっぱり、すごいや…」

「う、うるさい!」

別にキラが言おうとしていることは分かっている。

「そりゃあ、アスランだって男だし、僕は止めないよ?」

「はあ…」

「でも社長が『貢ぐくん』だなんて…」

「キラ!」

「しかも女子大生に…」

「おい!」

「天下のザラグループの社長がしてるなんて…」

「こら!」

「みんな驚くよね?」

アスランのツッコミに耳をかさずキラは淡々と言った。


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