お話(未完成)

□ミカタのミカタ
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クライン探偵事務所

それは郊外にある女性専用の探偵事務所
今日も悩みを抱えた女性が一人、扉を叩く


《ミカタのミカタ》


呼び鈴を鳴らすと、電子音がして鍵が開いた。 
中に入ってみると、正面には長いピンクの髪の美女が座っていた。

「ようこそ、クライン探偵事務所へ」

ニッコリと微笑む彼女は、入ってきた女性をソファーに座らせると、自分も向かい側に座った。

「御予約されているミリアリア・ハウ様ですね。今日はどういったご用件で?」
落ち着いた優しい声、優雅な物腰…この人、絶対に金持ちだ。
ミリアリアは瞬時にそう悟った。
だって着ている服からアクセサリーまで、自分の手が届かないくらいの値段だろう…

「…いえ…あの…」

ミリアリアは後悔しだした。
向こうは金持ちの道楽っぽいし、こっちは自分のプライドさえ押し込めれば何とかなる話だ。
高い探偵料金を払ってまで頼むことでもないのかも知れない…

「私…」

やっぱり、断ろう…そう思って口に出そうとしたとき

「どわ〜!遅刻した!」

扉を勢い良く開いて、金髪の女性が入ってきた。

「ゴメン、ゴメン。寝坊しちゃって!」

ボサボサの髪、シワの寄ったシャツにジーンズ。
背中のリュックは日に焼けてボロボロだ。

「あ、ら…依頼人?悪い、悪い。」

罰が悪そうに彼女はそそくさと奥のツイタテに入っていく。

「えっ…と、今のは?」
「も、申し訳ありません!ウチのアルバイトですわ」

何故かピンクの髪の女性は落ち着きなく、腰を浮かせた。


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