お話(完結)
□絶対距離感〜アスラン〜
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絶対距離感
〜アスランサイド〜
「あのっ、ずっと前から好きでした!」
金色の髪が風に揺れる。
緊張しているのか、彼女の顔は赤く、いつもの眩しい笑顔はそこにはない。
「私と付き合って下さい!」
勢いよく頭を下げられ、思わず笑ってしまう。
ずっと前から見てきた女の子。
気がつけば好きになってて…
こんな偶然、嬉しすぎる!
「え…えっと…」
僕も好きです。
心の中でガッツポーズをとりながら思いのたけを叫びたいのに言葉がでない。
「だめ?」
ふいに頭を上げられて上目遣いの琥珀色の瞳に心臓が高鳴る。
「い、いや…いいよ。」
もっとカッコいい自分を見せたいのに....
そう言うだけでいっぱいいっぱいの情けない俺。
「えへへへっ、よろしく」
嬉しそうに笑う顔可愛らしく、眩しすぎて…
これからはこの笑顔や全てが自分のモノになるんだと思うと、邪まな思いを一気に膨らませてる自分が卑しくて....
思いっきり目を背けてしまった。
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