お話(完結)
□絶対距離感〜カガリ〜
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「あのっ、ずっと前から好きでした!私と付き合ってください!」
朝から呪文のように繰り返してきた言葉。
それだけを言うと、まともに顔を見ることが出来ずに頭を下げた。
「え、えっと…」
相手は戸惑っている。
そりゃ…そうだろう。
今まで同じクラスになったことはなく、会話すらしてことがないのだ。
ただ…
よく視界に入ってくるのだ。
長身で紺色の髪、翡翠色の瞳に形のいい唇。
優しい笑顔に一目惚れした。
「だめ?」
やっぱり…
そう思って頭をあげると、
「いや、いいよ…」
相手が何を考えてそう答えたかは、わからない。
「えへへへっ、よろしく」
そのときは嬉しくて…
アスラン・ザラがどうして顔を横に向けたのかまでは考えていられなかった。
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