グロッチ・ストーリー〜心の闇物語〜
□グロッチの奇跡
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車は次なる町に着いた。
グロッチは酔っていた。
どうにかコータローに背中を擦ってもらい、なんとか楽になった後、町に入ることになった。
町は繁盛していていろんな店が連なっていた。町全体はとても広く、一日ではとても廻れそうに無い。
しかも、コータローは用事があるらしく、ルーズリーも買い物がしたいということで別行動で行くことになった。
そんな中、グロッチは何もすることが無かった。なので、とりあえず町を歩いてみることにした。
コータローの用事というものは、ここの町の王に呼ばれたというものだった。それを考えていたグロッチはあることに気が付いた。
この世界の町は王を中心とした中央集権制を取り入れていたことに気づいたのだ。
もちろん中央集権制なんて言葉はグロッチは知らない。どこの町にも王様がいると考えただけだった。
そんな制度をとっているここの町の王は優しいらしく、町民の支持も100%に近いらしい。
その王様のおかげで、この町はこんなのも繁盛をしているのだろう。
グロッチは町の中を歩いていた。すると、1人の男がグロッチの方に近づいてきた。
「私はタロウといいます。もしやあなたが腕に着けているのはニューオングの…。」
それを聞いたグロッチは調子に乗った。
「はい。そうです。ニューオングの1人です。」
お前は仮免だろ。
「わぁ。なんて光栄なんでしょう。ここでニューオングの1人に会えるなんて。私、この国の城の中で王様の助手として働いているものです。どうぞ、よかったら城でご馳走でもいかがですか。」
「えっ!?マジですか?」
「ええ。」
「行きます、行きます。」
「こちらです。着いてきてください。」
そう言われたグロッチはタロウの後ろを着いていった。