グロッチ・ストーリー〜心の闇物語〜
□ヤーマンの過去
1ページ/5ページ
時はまたさかのぼり、グロッチが捕まっている日のこと。
ヤーマン達は草原を歩いていた。
「おい、ヤーマン。次はどこに行くんだったっけ?」
ボビーは問い掛けた。すると、ヤーマンは目的地を言ってきた。
「次は、ナミールの町だよ。どんな所、ボビー?」
「いいところだったよ…。」
「過去形!?」
「そう。今はその町、お前の探している水晶を巡って隣町と戦争をしているんだ。」
「なっ、水晶。早く言えよ。ボ…ボ……ボビー。」
「いや、危険だからさ。」
「大丈夫さ。俺には逃げられる足がある。知ってるだろ。ボ…ボ・ビー。」
「ああ、初めて見た時は驚いたよ。」
「そうだろ。」
その発言を最後に2人は沈黙した。
すると、ヤーマンは何か言いたそうなそぶりを見せた。
不意にボビーが話し掛ける。
「どうした?ヤーマン。」
「いやさ…。会った時から言いたかったんだけどさ。『ボビー』って言いづらいんだけど…。」
「はぁ!?」
ボビーは唖然とした。自分の名前を真っ向から否定されたからだ。
「そこでさ。俺考えたんだ。『ネギシ』って名前にしない?その方がカッコいいよ。」
「なぬっ!!!」
その後、ボビーは考えだした。そして、ヤーマンに言った。
「別にいいけど、もう噛むなよ。」
「えっ!いいの?噛まねぇよネギシ。」
そう言ってヤーマンはネギシの肩を叩いた。
それからというもの、2人のおしゃべりはナミールまで続いた。