グロッチ・ストーリー〜心の闇物語〜

□プロローグ
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20xx年 
「さあ、遂にやりました。世界初。3Dコンパクトテレビが完成いたしました。」
「遂にハレー彗星の謎を解明しました。」
テレビからは、明るい話題が流れていた。
 今世界では、様々な発明品や、新しい発見が次々に世間に発表されていた。そんな、影響なのか今の子供達はこんなことを口走っていた。

「なぁ。この頃のニュースってほとんどが『学者』の仕事だよな。」
「そうよねぇ。『科学者』『天文学者』『物理学者』…。」
「なぁ、知ってるか。なんか学者って儲かるらしいぞ。一億円とか軽く行くらしい。」
「それは、世界的発明や発見をした時。」

「あー学者になりたいなあ。」
「簡単になれないよ。ちゃんと勉強して、いろんな知識を持って、大学行って…。就職校のうちの学校じゃ無理でしょ。」
「まぁねぇ。たとえなれたとしても、誰も作ってないものとか思いつかねぇし。」
「『どこでもドア』とかまだ、できてねぇよ。」
「あれは無理。著作的にもダメ。」
「そっかー。」
 
 子供らしさが全然ないこの発言。このままでいいのだろうか。しかし、そんな彼等の前には今も昔も変わらずに、夢を打ち砕くものがある。それは誰もがいやなものであり、学校生活での一番の邪魔ものである。それは先ほどの会話をしていた子供達にも牙を向こうとしていた。

 「はい。皆さん知っていると思いますが。来週から『期末テスト』です。必死に勉強してください。」

この発言を聞けば、子供の顔は一変する。まるで、地獄を見るように…。それなのに先生は更なる、追い討ちを掛けるのである。
「今回は、期末テストだ。中間ではいい点取ったからって油断するな。このテストが成績を決める。中間2割、期末8割ってとこだ。」
「なにその割合。普通五分五分だろ。」
生徒達が講義を申し立てたが、先生は無視をして、帰りの挨拶をした後、教室を出て行った。その瞬間、一斉に動き出した。

かばんにノートを詰める者。

何人かで集まって一つの机で教科書を広げる者。

諦めて遊びに行こうとしている者。

さまざまな動きを1つの教室で見せた。
 

 そして、土日を挟み、月曜日。とうとう試験期間は始まった。

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