まるマが好き。!NEW!

□2007.09.23.更新
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最高の状態まで研きあげられた廊下は、午後になると目を細めて歩く通行者が絶えない。
この上を歩くのはいつもながら、忍びない。
「あのさ、」
振り返ると、彼と目が合う。それがクセになって、彼以外の者に呼ばれるとまず目が合わない。
この間は、「いやあん、隊長のえっちぃ!」と勘違いをされた。
あの鳩胸野郎。
失礼。(にっこり)
それにしてもティータイム前の陽射しは辛い。
眞魔国は今、夏だ。
太陽に背を向け、向き合った彼の瞳孔が広くなるのを確認する。
「どうかしましたか、」
陛下…と涼しげに聞いた。
「あー…、」と、視線が右上へ泳ぐ。
俺は少し、首を傾げた。
「ユーリ?」
声を落とし、彼に合わせて屈む。
「今ちょっとっ、さ、……空いてる?」
遠慮をする。
いつも突然訪ねにきたと思ったら、ぱっと用件を言う彼にしては、少し珍しいパターンだな。
「ええ、……?、ユーリ?」
違和感を感じて頬に触れようとした瞬間、「あっ!」、と言ったかと思ったら彼の手で視界を塞がれる。前が……ユーリが見えない。
「無茶するなよ!いつでも良いから用が済んだら俺にも会いに来てよっ。じゃ、また後で!」
視界が開けた時には既に彼は背中を向けて、10m程先を走っていった。
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