まるマが好き。!NEW!

□『梓杏様へ』
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はるーおもうーきー
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近所の公園。
木陰の下、ベンチ。
湿気を含む冷えた風が皮膚を冷やしていく。
……………………。
「なぁ」
「んー?なんだい?」
そろそろあっちへ行く頃合だと村田に呼び出され、そのタイミングが来るまで時々肌を擦りながらぼんやりと空を眺めていた。
最近の空は何だか悲しくてしょうがないみたいで、しょっちゅう泣いている。
「思春期ってなんだろ?」
「え?……今思春期って言ったのかい?」
ええ?と驚いて……なんだよその目は。
「具体的に何なのか分からなくてさ。おれって思春期なのかな」
「保健体育で思春期のこころとからだって習ったかい?」
「……うん?まだ」
何ソレと聞いたら少し困ったような、赤ちゃんってどこから来るのー?って子どもに聞かれた時の親の顔。
やっぱりおれ変なこと聞いてる?
「まあうん、そうだねぇ。僕の映画館の主人公たちは思春期には常にピーで、ズぎゃんなあっはぁーんのこととか考えたり実行したりしてたかな」
「…………、!!」
それが思春期!?
「完熟トマトのハヤシライス食べたくなるなーその顔」
ううるせーいきなり、唐突にそんなピーでずぎゃ……わーわー考えんなおれ!
「ま、そろそろ行こっか?」
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