『琥珀の露・下巻』
□第八章〜想うこと〜
1ページ/14ページ
目が覚めるとお昼になっていた。
眠るのが遅かったからだろう。
慌てて静子に電話を入れて暫く颯の家に泊まることを告げた後、三妖と共に昼食を食べた。
今日は全員学校を休んだらしい。
「お前ら、何かあったんか?」
晴海が私と颯に向けて問う。
「ど、どうしてですか?」
「さっきからずっと目を合わせてないでしょう? それに、会話も無いし」
くすくす笑いながら朔夜が言う。
「それは……」
どうしても、今朝のことが頭をよぎって意識してしまうからだ。
颯も同じらしく、照れくさいのか起きてからずっと私と目を合わせようとしない。
「俺らの知らん間に一体何があったんやろうなあ? 気にならんか、朔夜?」
にやにやと意地の悪い笑みを浮かべた晴海がわざとらしく朔夜に話しかける。