『琥珀の露・上巻』

□第五章〜それぞれの役割〜
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 今日の授業が終わって生徒達が徐々に学校から減っていく。

 自宅にいるより学校で人混みに紛れていたほうが安全だと言われ、私は今日も登校していた。

 登校時の護衛には颯と晴海がついてくれた。朔夜は今日は学校を休むらしい。

 登校してきた二人も怪我をしているだろうに、そんな素振りは全然見せなかった。

 妖の血を引いているから普通の人より傷の治りは早いと彼らは言う。

 それでも、全ての傷がすぐに完治するというわけではないと思う。

 結局、二人は私の護衛の為に無理をして登校してきてくれたのだろう。

 そのことを思うと本当に申し訳なくなってくる。

 颯は用事があるからと、教室を出て行ったきり戻ってこない。

 徐々に人がいなくなっていく教室の中で、私は颯の帰りを待ちながらぼんやりと窓の外を見ていた。

「あ……」

 窓の外に見知った姿を見つける。

「朔夜先輩?」

 見間違いなどではない。
 どうして学校に居るのだろう。

 
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